みなさんこんにちは!castleです。実はこれ、10本目のweb記事なんです。引退までに10本書きたいという目標を達成でき、一段落目ですが気分が良いです。
でも節目の10本目、なんならこれを書いて引退かもしれない、どうしよっかな~、何書こっかな~。好きなものも、自分の弱みも、アリオーゾで頑張ったことも、お役立ち系の記事も書いた。10本目にふさわしい内容って何がある?と悩んでいたのですが、ふと思い出しました。
あっ、私自分の左耳のネタがあるじゃん!!!
これは私にしか書けない記事なのでは!? ということで、左耳が小耳症、歴は21年の私が、いろいろな観点から小耳症を語っていこうと思います💁♀️
⚠この記事は個人の感想であり、小耳症者全員の見解ではありません。医学的根拠もありません。
また、他人に配慮を求める記事でもないということを承知の上、お読みいただくようお願いいたします。⚠
◯小耳症って?
さっきから小耳症小耳症言ってますが、そもそも何なのって話ですよね。
読み方は「しょうじしょう」です。私も明確な定義が分からなかったので、調べてみました。
小耳症とは生まれながらに耳介が小さいか欠けている状態をいいます。
(愛知医科大学形成外科学講座 https://www.aichi-med-u.ac.jp/keiseigeka/syojisyo.html より引用)
生まれながらに耳介が小さいか……欠けてる……?
言葉で説明されてもよく分かんないよってなりそうな気がしたので、画像を載せます。
引用元を載せている時点でお気づきの方も多いかもしれませんが、これは私の耳ではありません。できれば自分の耳を載せたいと思ってアルバムとか探したんですが、小耳症の耳がどアップの写真無かった~~!!!めっちゃ探したのに。髪で隠れちゃうんですよね。そして綺麗に撮影できない。そこで引用させていただきましたが、この形は限りなく私の左耳に近いです。
私の耳に関しては、一応ギリギリ伝わるか……?という写真を載せてみますね。
これは左から撮られた写真で、マスクの紐もちょっと髪の毛も掛かってしまっていますが、確かに耳小さいな~~形が違うな~~と伝われば万々歳です。
形についてお分かりいただけたでしょうか。そう、文字通り小さい耳の症なんです。漢文だったらそのまま読めば良いやつで、ありがたいですね(?)。でも小さいだけで聞こえているかといえばそうではなくて、聴力はありません。何人に1人なのかは諸説あるそうですが、色々平均すると1万人に1人くらいかな……?もうちょい低い……?って感じです。よく分からん。それから発生原因も不明だそうです。
対処法として、形成手術をすれば、大きな耳を作ることはできます。聴力はないままです。手術方法については割愛しますね、Google先生に聞けば教えてくれるはずです。私は悩んだ末やりませんでした。私にとってはコンプレックスでもなかったので、当時10歳だった私には手術をする怖さや親と離れる入院生活を超えるメリットが見出だせなかったのです……。でも大きくすることで生活が快適になった声もよく聞くので、人によりけり!
◯日常生活でのトラブルは?
致命的なほどに困っているわけではありませんが、めんどくさい!と思うことがあるのは確かです。ひとまず思いつく「日常のめんどくさいこと」を挙げると、
①左から話しかけられても気づきにくい
②音の方向が分からない
③マスク・メガネが掛けられない
というところでしょうか。ちょっと一つずつ掘り下げていきますね。
①左から話しかけられても聞き取れない/気づきにくい
単純に聞こえないので、気づくのがワンテンポ遅れます。ただ、私みたいに21年小耳症をやっていると、遅れても気づくようになります。というのも、
左から話しかけられる(何を言っているかは分からないけど、左側で誰かが何か言葉を発したのは察する、ただ自分向けかは分からない)→私に向けられてると思っていないので、私が返事をしない→変な静寂が訪れる→「あっなんか静かじゃない!?私が答えるターンだったってこと!?」と気づく
ってなるから。
小中高生は席替えが困りましたね。聞こえにくい席になると困るから。先生に絶対に黒板に向かって半分から左の席になるようにお願いしてました。
②音の方向が分からない
全ての音を右耳で聞いているため、「こっちから聞こえた♪」という概念がないんです。選挙カーとか救急車が爆音で真横を通ると、さすがに左耳から聞こえる気がしますが……。実は私、外耳道(俗に言う耳の穴)は塞がっているのですが、中の内耳という音を聞くシステムは完成しているらしいのです。(どこまで完成しているかは多分、人によります)だから、左耳の骨に振動するものを当てたら音が聞こえます。アナログの腕時計とか押し当てたら、振動が伝わって、秒針の音が聞こえます。
じゃあ骨伝導イヤホンだったら聞こえるんじゃないのって?大正解、そうなんです、そうなんですが、私は初めて使ったとき今まで使ったことない身体の一部をフル活用する事態になったため、めっちゃ気分が悪くなりました。顔は真っ赤、ちょっと吐き気がしました。皆が皆そうではないんでしょうね、でも私は使わなくていいや……。
話が逸れましたね。普段は音の方向が分からないんですよ。「すみませーん」って呼ばれても、「どこ!?!?」ってなります。車の音が聞こえても、どこから来ているか分かりません。まあまあ危ないね。
③マスク・メガネが掛けられない
これは聴力じゃなくて、耳介がないことによる問題です。純粋に掛ける突起がない!
正直に言うと、メガネは柄が細ければ頭とちょっっとだけある耳の間(言い方)に乗せられるのですが、セルの太いやつだとダメです。
メガネはまだマシだけど、マスク問題はコロナのときが大変でした。
◯じゃあ、どうやって解決してるの?
ここまで読んでくださった方は、「なんか色々大変そうですね。どうしてるんですか?」と思ってくださるかもしれませんね。
ふっふっふ。21年生きてきて培ったスキルと、技術の進化によって意外となんとかなってるんですよ。
まずはさっきの①②③と対応させて説明していきますね。
①自己申告する
私は隠したいタイプではないので、自己紹介の時に言ってしまいます。
「castleです。好きなお菓子は金平糖です。あ、あと、私は左耳が聞こえないので左から話しかけられたら分からないことが多いんですけど、その時はもう一回呼んでくれたりすると助かります。よろしくお願いします」みたいな。入れ込んじゃう。
でも、関わる人全てにきちんと自己紹介をする機会があるわけじゃないですよね……?ぬるっと始まった、タイミング逃した、自己紹介の日欠席した。そしたら何も言わずに始めて、何かのタイミングで言います。大抵「そういや私左耳聞こえないんだよね。だからさ、申し訳ないんだけど、」って切り出します。こっちの方が多いかもしれません。はい、今回の記事のタイトルはこれから取りました。
②気をつける/分からなくても何とかなる選択をする
もうね~~~これはこうするしかない!だって聞こえるようにはならないんだから!
車の音とかはちゃんと右見て左見てもう一回右見るしかない。耳が頼れないんだったら目を頼る。
分からなくても何とかなる選択をする、っていうので今思いついたのはバイトなんですけど、音の方向が分からなきゃいけない仕事を徹底的に排除して探しました。一番は飲食店のホール。どのお客さんから呼ばれたか分からないから、パス。ガヤガヤしていればいるほど左から話しかけられても気づきにくくなるから、騒がしいお店もパス。そうやって、やりたいことと擦り合わせて選ばれたのは、塾でした。
とても良いです!またこれは配慮していただいてる(右から話しかけたほうが良いんだったよね、みたいな)からですが、そもそも静かだから、誰が喋っているか分かりやすい。先生は通りやすい声の方が多いので、聞き取りやすい。お客様にあたる生徒は固定=声で誰か判別可能(これが一番大きいかも)。自分が何が苦手なのかを考えて選ぶと、事故は起きにくいと思います。これは何も小耳症に限らないですけどね。
③義耳(作り物の耳)を使う!
ま~~た知らん単語が出てきたよ、ってね。義耳(ぎじ)は作り物の耳です。義手義足の耳版。
どうやって説明しようかなと迷っていたら、YouTubeにぴったりの動画が上がっていたので、引用させていただきます。
要するに、シリコンで作った耳を、医療用接着剤で毎日貼るんですよ。私の場合はお風呂で外します。
時々持ってあがるのを忘れてしまって、親に「耳忘れてるよ~~!!!」というほとんどの人が言われたことないであろうセリフを言われます。
そうだ、この場を借りて聞きたいんですけど、医療用接着剤、1本使い切る前に固まり始めちゃうんですよね~~……びよーんって蜘蛛の糸みたいになる。あれどうしたらいいんですか?
あ、あと、義耳の画像を見た方で、ハリポタを通っていると、やっぱり思いますよね。
伸び耳みたいだよね!!!!
分かる分かるめっちゃ分かる、だってうちでも話題になったもん。「伸び耳みたい!!」って。
テンションと話題を戻します。
義耳を付ける前は、マスクバンドを髪の毛のゴムに引っ掛けていました。
でも色々と問題が……。というのも、ほっぺにマスクが食い込むし、マスクバンドをゴムに引っ掛けるために、絶対髪の毛の一部を結ばなきゃいけなかった=髪型に制限があったんです。苦しいし、髪の毛を下ろすことができないのにもやもやしていました。だって大学生のお姉さんがやってる、まきまきロングへア下ろしてるバージョン、私もやりたいもん。
それを義耳が解決してくれました……!最高だぜ。
あともう1つ、最初の問題点のところで挙げはしなかったのですが、”イヤホン問題”というのもかつてありまして……。有線のだと左耳分の行き場がないんですよね。だから音漏れしちゃう。
小中学生くらいまではこんな悩みもありましたが、そう!!ワイヤレスイヤホンなるものが登場しましたね!!!右耳だけ付ければいいなんて、快適すぎる!!!技術の進化、ありがとう……!!!!
◯メリットはないんですか?
ちょっとマイナスな話を書いたので、私が見つけた小耳症であることのメリットを2つご紹介します。
①聞こえない方の耳を上にしたら早く寝られる!
ベッドの上に横になって、聞こえない方の耳を上にすると、一瞬で静かな空間が作れます!耳栓いらず!音が気になって寝られない時に便利ですよ。
②イヤリングに予備ができる or 2種類になる!
正直これはめちゃめちゃ良いです。
きちんと耳たぶがある右耳にしかイヤリングを付けないので、左右同じイヤリングだと片方しか使いません。1つは家でお留守番、スペアの誕生です。昔母から、「イヤリング片方落としちゃって、ママは両耳分要るから使えないんだけど、あなたは1つだけで使えるからあげるわ」ともらったこともあります。2回くらい。あれはラッキーだった。
たまに売ってるアシンメトリーのイヤリングだと、2つ買ったようなものです。こちらも得した気分になります。
◯ぶっちゃけ、小耳症であることについてどう思ってる?
最後は、私自身がどう捉えているかについて書こうと思います。
案外気にならないっていうのが本音です。
小学生くらいの時は先生や親が先回りしてサポートしてくれていたのもあって、自分の左耳が聞こえないことについて忘れる日もあるくらいでした。自分で自分のことを何とかしなきゃいけない今になって、ちょっとずつ意識する日が増えている、っていう感じです。
でも、来世でも小耳症で生まれたいです!みたいなことは言いません。正直、小耳症じゃなかったら今とは違う選択肢が色々あったのは事実ですから。例えば、今の生活に不満がないとはいえ、インカムを付ける必要があるバイトをしてみたかった。ディ◯ニーとか、無◯良品とか。ひょっとしたらインカムを付けない配慮をしてもらえるかもしれないけれど、やっぱりためらってしまうから、そういうのを何にも考えずに興味のまま動いてみたかった。イヤホンの左右から別の音が聞こえてくる感覚も全く想像できないから、生まれ変わったら(?)体験してみたい。就職だってこれがネックになったら嫌だなあ、ってちょっと考えてしまう。仕方ないけど。
ただ、じゃあ小耳症であることを悲観しているか?と聞かれるとそうではありません。今後また困ることが起きても、何とかしていくんだろうな、くらいに呑気に考えています(普段小さな悩みを色々と考えているくせにね)
小耳症で良かった!というのは違うけれど、別に小耳症だからってそんなに困ってない。
でもこう思えるのは周りに恵まれて生きてきたからです。私の関係者の皆さん、皆さんから右に回ってくれたり、私の席の希望を聞いてくれたり、ありがとう。おかげでそこまで悩まず過ごせています。
周りに恵まれて生きてきた、と述べたのは、人によっていじめられる話も聞くからです。インターネットで検索しても、よく出てきます。「変な形だと言われ続けました」「引っ張られました」など。そんなに形が違うことが気になりますか……?他人の耳なのに……?攻撃するほど……?気に入らないなら放っておいてくれ!
漏れ出た心の声はさておき、出会う人によって攻撃されるか否かが決まるのはおかしい。小耳症かどうかに留まらないかもしれませんが、攻撃するのはやめてよ、やめようよと小さい頃から思っています。
長いな。それに話の閉め方が分からなくなってきました。悪い癖。
そうだな、私が小耳症として生きてきて気づいたことを述べて終わろうと思います。
不便と不幸は必ずしも一致しない。
ここまでお読みくださってありがとうございました!再度になりますが、私は小耳症の専門家ではないので詳しいことはよく分かっていません。興味を持ってくださった方はご自分で調べていただけると幸いです🙇♀️
ただ、もしこの体験談が誰かのお役に立てれば、こんなに嬉しいことはありません。
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