2020年度 ソフィアンズコンテスト『Sparkle』本選レポ

2、3月頃から広まり始めた新型コロナウィルスの影響で、全面オンライン開催となったソフィア祭。

まさかこんなに長引くとはだれも思いませんでしたよねー。

しかしそんな状況のなか、なんと今年から「ソフィアンズコンテスト」なるものが新たに始められました!

今回はソフィコン当日の様子を、これまでのミスコンと比較するような形で書いていきたいと思います🙌

(本記事の写真は、特別な許可を得て撮影しております。無断での転載・再加工はご遠慮ください。)

目次
①候補者の顔が見やすい!!

②スピーチが面白い
③自己アピールはおおよそ例年通り
④Sophian’s Exhibition(ファッションショー)
⑤あっさりめな表彰式
追加コンテンツ:本選総指揮/ディレクター様からコメントいただきました
当日映像アーカイブURL(→配信され次第後日追加いたします)

 

まず「ソフィコンとはなんぞや」という部分から簡単に解説をば。

出典:ソフィアンズコンテスト公式サイト(https://sophians2020.mxcolle.com/

私も後輩から「記事書いてくれ」と言われるまではよく知らなかったのですが、何やらルッキズムの忌避現代に即したジェンダー的観点から「より人間的魅力に着目したコンテストを行おう」と考えたが故の変化だったようです。

ちなみにコンテストテーマはこんな感じ。

出典:同上

実際に私も本選を見たわけですが、確かに「多様性」が全体を通して意識されている印象でしたね。

では、本題の比較レポに入りましょうか。

①候補者の顔が見やすい!!

コンテストが始まり 紹介動画が流れた後、候補者たちが一人ずつランウェイを歩いて登場。その後壇上でそれぞれの意気込みスピーチが行われました。

左から高橋彩里さん(国際教養学科4年)と田中哲哉さん(物質生命理工学科3年)
吉開優姫さん(地球環境法学科2年)と三好百花さん(フランス文学科4年)
北脇里紗さん(国際教養学科4年)と山本大葵さん(フランス文学科3年)

トップバッターの高橋彩里さん(entry no.1)の衣装が黒だったことから薄々感じたのですが、今年はポーズやドレス、歩き方などが例年以上に個性的で、開幕早々まさに「ソフィアンズコンテスト第1回」らしい雰囲気だなと感じさせられました。

特に印象的だったのが候補者の方々の顔つきで、人間としての自信にあふれた表情や態度、振舞いに速攻で魅了されました。

そしてもうひとつ気づいたことがあるのですが、候補者の方々の顔が見やすい!!

オンライン配信オンリーだからこそ、画面に映る彼らの姿をかなり意識した撮影になっていました。スピーチ中も2つの方向からカメラが向けられていてとても観やすかったです。

ただ 配信だから仕方ない部分として、イヤホンを通すと少し音楽の圧が強くなってしまうようには感じられました。

対面型のコンテストだと 内容と曲が混ざり合って非常に感動させられるのですが、こればかりは中々調節の難しい部分なのでしょうね……

10号館の講堂が恋しいです。

②スピーチが面白い

「オリジナリティ」
「海洋汚染」
「ネットでの誹謗中傷」
「それぞれの価値基準」
「多様性、自分らしさ」
「何のために生きていくのか」

だいぶ概略にはなっていますが、上記したのは今年の候補者たちがスピーチで語ったテーマです。

従来のミス候補者たちと自分を比較して想ったことや 匿名での誹謗中傷への言及、果ては自身で立ち上げたNPO団体でのビーチクリーン活動や「生き方」についてなどなど。従来のコンテストでは中々触れにくかった内容にもグイグイ突っ込んでいくスピーチは普通に面白かったし、つい時間いっぱい聞き込んでしまいました。

当日、視聴者に向けて映像配信をする様子。
感染症対策のため、客席はガラガラです。

聞いている最中、つい「いや。。。かっこよ……」と呟いてしまったし、こんな人が自分と同世代にいるという事実に、気付くと私も嬉しくて笑っていました。

歯に衣着せない物言いがまさに「ソフィアンズコンテスト」らしかったです。

「ぺぱぱぱぱ……」という拍手の音声で「あ、そういえば会場無観客なんだった」と思い出しましたが、そんな事情を一切感じさせず ガラガラの席に向かって笑顔を向ける候補者たちの姿には、彼らの持つ強さを再認識させられました。

来年のコンテストでは、会場に響き渡る拍手が楽しみです。

③自己アピールはおおよそ例年通り

昨年のミスソフィアはドラム演奏、一昨年は作詞作曲・弾き語りを披露した自己アピール。

今年もヴァイオリン演奏、化学実験、バトントワリング&ダンス、箏曲演奏、フルート演奏、フレアバーテンディングと、おおよそ例年通りの内容で行われました。

ヴァイオリンでのチャルダッシュ演奏
化学を使った液体の着色/変色/脱色実験
バトントワリングを組み合わせたダンス
箏による米津玄師の「Lemon」演奏
フルートによる「糸」演奏
フレアバーテンディング(曲芸的な要素を交えたカクテルの作成、提供)

ヴァイオリンを弾くかっこよさで投票すればいいのか?それとも4か月で箏曲を習得した努力を評価するべきなのか……?楽器の音色からその人らしさを読み取るのはなかなか難しかったです。

しかしそれぞれのステージに気迫があり、練習の日々が窺えるようなひと時でした。来年に期待大です。

④ファッションショー

集計が終了した後、Sophian’s Exhibitionというコーナーではファッションショーが行われました。

持続可能性を意識した衣装を各候補者が考案、デザイナーの方と協力して作成したそうです。

バレエの衣装をリメイクしウェディングドレス風に
ウェットスーツを使用しジャケットにリメイク
セーラー服を加工し大人らしさを加えたドレスに
友人たちからもらった白い服を、幼稚園の園児たちと共に野菜で染めたというパッチワーク風ドレス
ジャケット、ドレス、ワンピースを乗馬服と掛け合わせてリメイク
スーツから和装へのリメイク

これまでのミスコンでは候補者たちの「ウェディングドレス姿」が披露されていたパート。ここでも「多様性」や「個性」の意識された企画へと変貌が遂げられていました。

⑤あっさりめな表彰式

ファイナリスト決定後の活動風景を紹介する映像が流れ、コンテストは遂に表彰式へ。

昨年までのミスコンであれば、候補者たちへ家族から「○○ちゃん、あなたは昔から元気な子だったね……」といった手紙が贈られ観客も涙ぐんでいる場面ですが、今年は割とささっと受賞者が発表されていきました。

正直私はこちらのパターンも好きです。

【受賞者】↓

明色化粧品賞:三好百花さん(no.4)
DHC賞:吉開優姫さん(no.3)
アナトレ賞:吉開優姫さん(no.3)
スマ留賞:田中哲哉さん(no.2)
リゼクリニック賞:吉開優姫さん(no.3)

SDGs部門賞(事前審査によって決定):三好百花さん(no.4)
スピーチ部門賞(当日の投票によって決定):吉開優姫さん(no.3)
自己PR部門賞(事前web投票と当日票によって決定):吉開優姫さん(no.3)

準グランプリ:三好百花さん(no.4)

涙ぐんで喜ぶ三好百花さん

グランプリ:吉開優姫さん(no.3)

満面の笑みを浮かべる吉開優姫さん

こうして滞りなく受賞者も決定し、2020年度第一回ソフィアンズコンテストは無事閉幕となりました。

一昨年のミスコンで記事を書いたことからお声がけいただいたソフィコンレポでしたが、筆者的には率直に「これもアリだな」と感じさせられるコンテストでした。

形式は昨年までのミスコンと似ていますが、その本質は明らかに別物。
美ではなく個性/多様性に焦点をあてたからこそ、好いてもらうためでなく「自身を知ってもらう」ための表現ができるようになったのだと感じました。

言えないことへの不自由さが取り払われたスピーチは聞いていて興味深い内容でしたし、なにより実直に自身を見せてくれる候補者たちはとても魅力的でした。

欠点もあっていいし、「完璧な女性」である必要はない、というコンテストの趣旨は時代の流れに即していると筆者は絶賛して、本記事を終えたいと思います。

自分も「ソフィアン」にならなくちゃな、と思わされる良い舞台でした。

最後にひとつ。綺麗な面だけでなく色々知ることができたからこそ全候補者を好きになってしまうような会でしたが、グランプリや準グランプリで1位、2位が明白に示されてしまうと何だか複雑な気分でした。外見の優劣ではなく個性同士で魅せ合う舞台だったからこそ、私個人的には「何における”最優秀”なんだっけ、これ……?」と感じざるを得なかったです。

この点は局長や局員の方々もかなり悩んでいる部分だったようで、今回書いていて感じた このモヤモヤを局員さんに伝えたところ、そこにあった彼らの葛藤やこだわりを聞くことができました。

きっと同じ感想を抱いた視聴者もいたのではないかな と思うため、最後に少しだけ 運営裏話を入れますね。

どうやら、この「個性を尊重しつつ順位付け」という矛盾した形式には、運営局の方々がもつ「本行事の意義は 候補者の成長にこそある」という考えが要因として存在していたようです。

本番へ向けて様々な活動を行い、成長し、そしてコンテスト当日は他人の評価さえ成長の糧とする。その、結果ではなくプロセスを重視するが故の現状なのだそうです。

個性を尊重することと順位をつけること。矛盾してしまうけれど、ここにあるジレンマには「ソフィアンズコンテスト」にかける局員の方々のこだわりが強く表れているのだと感じます。

筆者は今回 この記事のためにソフィコン特集班へ飛び入り参加したのですが、どうやらこのコンテストにはインスタライブやIGTV配信、「本選直前企画」といったイベントもあったらしく。

局長さんや局員さんのこだわりを聞いてみると、むしろ本選以上に こうした 本選舞台に至るまでの成長過程にこそ「ソフィアンズコンテスト」の醍醐味があったのだと知りました。

(そしてコンテスト中に感じた「授賞式がさらっとしていた」の謎もここに理由があったのだと 今気づきました。)

まだ誰にも見えない完成形ですが、先進的で面白いコンセプトを持ったイベントだからこそ 年々魅力の増す行事になることと信じております。

また来年が楽しみです!!✨

撮影(敬称略):石橋、木下、近藤、太田

ぜひ全視聴者に伝えたい、局員の方々の秘めた想いや苦難の数々を取材したインタビュー記事も、間もなく公開される予定です。
投稿され次第ここにもリンクを貼るので、是非是非読んで、来年のソフィコンの予習をしておきましょうね!!
→→coming soon……


✨追加コンテンツ!!✨

記事を書くにあたって「新しいコンテストに変わって苦労したこととか聞いてみたいなー」と質問を投げたところ、まさかの本選総指揮、西川さんと配信ディレクター、小川さんから回答をいただいてしまいました。

観客側には分からない舞台裏での思いを知ることのできる貴重なメッセージです。
ありがとうございます!!

【本選総指揮 西川さん 】

正面にいるのが西川さん

ミス・ミスターコンテストでは候補者に統一された所作や振る舞いがあることが多いですが、今年はジェンダーレスになったことで、所作や振る舞いの「男性らしさ」「女性らしさ」のようなものを押し付けないように気をつける必要がありました。しかし同時に、魅せるコンテストとして、動きの統一性というのは1つのポイントであり、様々な場面で「自由」と「統一性」のバランスを取る事は非常に難しかったです。

そして何より、ミスコンからソフィコンに変わり、評価方法も多角的になったことで、候補者の方は自分がいったい何をすべきで、何をコンテストで目指すか、そして運営は初めてのコンテストをどういったゴールに持っていくか、それぞれが悩みに悩んだと思います。何も正解がなくて、自分たちで1から作り上げていかなければならない。候補者の中にはグランプリを取れなかったとしても自分らしく活動できたから後悔がないと言ってくれる人もいました。今年は運営も不安な所が多かったからこそ、候補者と色んな意見を交わして、お互いにいいコンテストを作り上げていく事が出来ていたと思います。

もちろん、一回目のコンテストだから何が正解だったかは分からないし、本選を見てくださった方々の意見を貰って、来年の改善点に繋げていくことが大事です。でも、今年の候補者と運営のフランクな関係性だったり、本選配信後に局員も候補者もみんな大号泣だったことも(笑)、実際の視聴者にはなかなか伝わらないように、外には伝わらない運営と候補者で納得いった点といかなかった点があるはずです。だから、候補者と運営が満足のいった形であれば、第1回ソフィアンズコンテストとしては、成功だったのではないかなーと思います。

 

【配信ディレクター 小川さん】

正面にいるのが小川さん
 配信の舞台裏
→カメラマン3人、音響、照明にプロの人が来てくれたため、会場に観客がいても楽しんでもらえるレベルに仕上げていただきました!!
候補者と局員は、それをどんな照明で照らして、どんなカメラワークで映すか等、本当の直前まで各担当業者と打ち合わせをしてくれて…おかげで、リハーサル時の想定よりはるかに魅力的な配信映像になったと感じています。業者さんはやはり作れるもののレベルが高く、より良い企画を見せるために直前まで改良を重ねてくれました。ご協力いただいたBLUE PROJECT様、本当にありがとうございます。

苦労した点

→配信にはそれ相応の機材も必要で、その到着が前日だったために急ピッチでセッティングする必要がありました。リハーサルでの想定と、実際の会場とで大きく変更した部分もあり、候補者や司会者には直前の変更をたくさんお願いしたため、申し訳ない気持ちです。一方で準備を急いでこなし、対応してくれた演者、局員一同には感謝する限りです。

最後に補足で一点。

→配信という全く新しい形で行われたコンテストですが、前提にはこれまた全く新しい、ソフィアンズコンテストという企画があってのことです。配信形式への転換のためには、元の企画を完璧に準備して、というフェーズが必要でしたが、それは候補者と局員が冬の間からずっと進めてくれていたことでした。ミスコンの克服やコンテストの意義などは、新たに考える上で途方もない部分でしたが、そこを妥協せずにまず企画を作ってくれたために、配信関連の作業もスムーズに進められました。新たなコンテストは、幸か不幸か、配信というとても広い舞台でお披露目させていただきました。候補者をはじめとした演者さん達や局員、そして応援してくれた多くの人々の想いが全国に発信できたことは、新時代のコンテストのスタートには絶好だったと感じています。

感動の舞台をありがとうございました。関係者の皆様方 本当にお疲れ様です!!

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投稿者: ふじわら

アリオーゾ3年生。 将来は、郊外かスペインで猫と暮らしたいそう。 水族館は入り口で解散したい派。
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