夏休み。
気付いたら8月も残すところ1週間。
華の大学2年の夏、今のところバイトぐらいしかしていないことに焦り始めた私は、何か一つでもでっかいことを成し遂げねば!と頭を悩ませていました。
でっかいことってなんだろう。
ぼーっと考えながら机の上のグミに手を伸ばしたその時、私は閃いたのです。
それは……
心ゆくまでグミが食べたい
はい。やってきました、待望のグミ企画。
……待ってないって? いや、誰も待っていなくたって、私が待ち望んでいます。
過去記事でも触れたことがありますが、私は「主食はグミ」でお馴染みの(?)グミオタクでございます。
好きにしろ、100袋でも200袋でも食べてくれという方々、ごもっともでございます。また本来であれば好きなグミやそのこだわり、オタク的能力自慢など徹底解説したいのですが、何千字書いても終わらない自信しかないので、やめておきます。
ところで
皆さま、こちらのグミをご存じでしょうか?
こちらは明治製菓の駄菓子、超ひもQ。
50円前後と安価なので、遠足のお菓子にしていた方も多いのではないでしょうか。
他に類を見ない超ロング級のグミで、食べ応え×値段のコスパも最高、なにより遊び心をくすぐられるこの「ひも状グミ」! 一息で切らさず食べるもよし、まとめて口に放り込むもよし、結ぶもよし、縄跳びにするもよし(※経験済)……無限の楽しみ方ができる最高のグミです。
そんな超ひもQですが、生産設備の老朽化により、2019年に生産終了となってしまったのです。
当時高校生だった私は悲しみに暮れながら、毎日学校帰りに某100円均一店に通い、買い占めをしていました。
ひもQにもう一度会いたい。
……それはふとした瞬間に思いつきました。
売ってないなら、作ればいいじゃないか!!!
~大学2年生、夏の自由研究、ここに開幕~
1.材料購入
今回使用するのは、グミの王道中の王道「果汁グミ」。
シンプルな味と噛み応え、サワーパウダーやキャンディーなどの細工もされていない、最も扱いやすい(?)グミであります。
これを溶かしてひも状に固め直したらひもQ作れるんじゃね?という、いたってシンプルな実験です。
必要量の見当も全くつかないので、とりあえず7袋ずつ購入しました。各5袋ぐらいかなぁと思っていたのですが、「足りなかったらどうしよう」と急に不安になり、ノリで2袋ずつ追加。
※実はこの3か月ほど前から購入はしていたのですが、……目の前にあるとオタクは耐えられないんですよね。だからこれ、5回目ぐらいの購入です。
こんな機会もそうそうないので、並べてみましょう。ドドン。
壮観。
(某マツ●ヨで1袋54円で購入しました。それまでの最安記録(※オタク調べ)である70円をはるかに下回る大セール! 何たるタイミング。グミの神が味方してくれたのかな。)
(マスカットの方が一部10%増量されていました。今気づいた。見なかったことにしてください。)
このあたりからにやにやが止まらなくなってきました。「これめちゃくちゃ映えそうじゃね?」と軽率な好奇心で、全袋開封してみることに。
ドドン。
……さすがにちょっと引いた。
ぶどうを模したボコボコした形が、絶妙な気持ち悪さを醸し出している。1粒で見たら可愛いのに、なんでだろう……集合体恐怖症の方、ごめんなさい。
2.準備
グミを溶かす方法は主に3つ──
湯煎・レンチン・真夏の車内放置(※経験有)。
Web記事にするなら見える状態の方が良いよね(部員の鏡)、ってことで、今回は湯煎で溶かすことにしました。鍋とボウルを用意します。
溶かしたグミを乗せて固めるクッキングシートや天板も必須。だがしかし、普段ほとんど料理をしない私の部屋にそんなものはありませんでした。ってことで、ラップで代用。
お盆にラップを敷き、ずれないようにテープで固定すれば、天板の完成! また、なんだかんだ心配になり下調べをしていたところ発覚した「溶かしたグミ、めっちゃベタつく問題」も対策すべく、薄ーく油を塗りました。私、天才かも!
3.いざ、実験
まずはマスカット味から着手することにしました。
失敗するのは怖いので、とりあえず1~2袋分程度を湯煎にかけていきます。
全体が溶けてグミの形が見えなくなったら、いよいよひも状にしていきます。
それっ!
ミスった。
というか、想像と全然違った。
私が思い描いていたのは、歯磨き粉のように前を向いて出てくるグミでした。しかし、溶けたグミってほぼ液体なんですね。「ホイップの要領で行けばできるのでは?」と実行した絞り袋戦法は、ボツになりました。
また、「すぐ固まらないのが原因なのではないか?」と思い、氷水に絞り入れる戦法も実行しました。入れると一瞬で固まってくれたグミ! ……しかし、完成形はほぼ同様に。
均等な太さで絞り出すのは、そう簡単な作業ではありませんでした。
クッキーやゼリーの型でも、ひも状になるものはなかなか売っていません。どうしたらひもQのひもを再現できるのだろうか……
───ストローだ。
直径6~7mmの一般的なストローは、ひもQの直径とほぼ同じなのです。また、素材がしっかりしているところ、固まったら簡単に外せそうなところも魅力的!
外周の5分の1程度を切り取り、まさにひもQといった太さの型が完成しました。
とりあえずこのストローに流し込み、固まるのを待つ間に残りのグミも溶かすことにしました。1個ぐらいいいかな……とつまみ食いしそうになりましたが、今回だけは誘惑に負けないと決めています。我慢我慢。
しかし、グミを混ぜながら時計に目をやると、ストロー戦法も実現が難しいのではないかという気持ちが芽生えてきました。
20cm弱のストロー1本にグミ液を流し込むまでに、既に30分以上かかっている……
ひもQの長さは126cm。固まるのを待てば尚更、このままでは10日あっても終わらない気がしてきた……
……気分が落ちてきたので、ここで先ほど氷水に入れたストローを救出することに!
お!?!?!?
こ、これは、ひもQ……
───そう思ったのもつかの間、持ち上げたグミはあっさり千切れてしまったのでした。
なんというか、触り心地がもう違っています。プニプニとかグニグニではなく、ぐにゃーんとか、ねろんねろん、といった感じです。
こうして、ストロー戦法も失敗に終わってしまったのでした。
4.挫折
ひもQを作るのは不可能なのだろうか。
失敗は何度かするにしても、最終的にはかならず実現するだろうと甘く見ていたこの企画。
夢を見すぎ、また自分の能力も過信していた私の辞書には、「不可能」という文字がそもそもありませんでした。
しかし、もう思いつく方法がありません。
思えば明治製菓さんだって、設備が老朽化したことでひもQの生産を終えてしまったのです。こんなに人気の商品を生産終了にするほどです。きっと新しく作り直すのも困難なスーパー設備だったに違いありません。大手企業でも不可能だったひもQ生産を、私が実現できるはずがない。舐めてた……
こうして、私のひもQ再生物語は幕を閉じたのでした。
5.いや、夢は終わってない
ちょっと待て、そもそも私の夢は、「心ゆくまでグミを食べたい」ではなかったか。
ひもQに会えなかったのは残念だけれど、ひもQにこだわる必要はないのではないか。
こうなったら心機一転、
「巨大グミを作る」
に作戦変更することに。
自由研究、第2幕のスタートです。
(2ページ目へ続く)
この記事を応援しよう!
「スキ!」を押すとこの記事を書いたぴのが喜びます!