就活忙しすぎて、箱根なんて無理?!
──今年は就活もあったとのことですが、両立は大変だったのでは?
外山 今年は3月から6月まで就活していて、その時期はほとんど部活にも顔を出せなかったですし、練習もまともにできていなくてすごく調子は落ちていましたね。
──走れないほど忙しかったんですね。
外山 自分の場合はさらに朝から晩まで研究もあって、ESも書かないといけないし、という感じの生活で正直「箱根ムリじゃね?」って思ってた時期もありました。どうやって支援してくれたOBさんたちに謝ろうか、なんてことも考えたこともありました。
──そんな状況から、就活が終わって気持ちを切りかえたということですか。
外山 そうですね。自分だけの陸上じゃなくなっていた部分もあったので、中途半端では終われないなと思いました。できる限りのことはやろうと決めて、就活が終わったら急いで調整しました。
──研究は今も続いていますか?
外山 月曜日から金曜日まで朝の10時から夕方6時までは研究がありますね。部活がある火木だけお許しをいただいて早く上がらせてもらってるって感じですね。まあだいたい他の日は6時に終わらないんで、7時くらいまではいますね。で、その後自主練ですね。
──1日のスケジュールはどんな感じなんでしょう?
外山 朝起きて、10時に間に合うように行って、そのあとはずっと研究室にこもって、終わったら皇居に走りに行って帰ってくるという何の起伏もない毎日を最近は繰り返していますね(苦笑)。家に帰ってくるのは早くて9時くらいですね。
──練習時間というのは少ない方の部類に入るんでしょうか?
外山 強豪校に比べたら圧倒的に少ないと思います。
──練習終わった後の楽しみってあったりしますか?
外山 たまに練習終わった後に、後輩を誘ってカラオケに行くのはストレス発散になりますね。
──ストレスがたまってるんですね……
外山 研究室がしんどいですね。
──研究は楽しくはないんですか?
外山 こういうこと言ったら教授に怒られちゃいますけど正直全く好きじゃないですね(笑)。今すぐにでもやめちゃいたいくらいです。できることならずっと陸上をやっていたいんですけど、まあそうもいかないので。卒業しないといけないので研究もちゃんとしないとなと思っています。
普段の外山選手の一面
──山下選手からみて外山選手とはどのような存在ですか?
山下 オンとオフが激しい人だと思います。徹夜で遊んでたりしている時もあるんですけど、やるときはしっかりやってくれるという印象ですね。
──頼りになる先輩ですか?
山下 みんなの憧れというか、指針になってくれるような存在でしたね。
──外山選手自身は自分自身のことはどう分析していますか?
外山 自分でもオンとオフのメリハリをつけるタイプだなとは思っていて、やるときはやって、ふざける時はふざけて、といった感じですね。自分ではこれが一番うまく行っていて、陸上ばっかりやっていても嫌になってしまう時もありますし、うまくリフレッシュしながらやることができたんじゃないかなと思います。
──何かオンオフの激しさを象徴するエピソードってあったりしますか?
外山 夜遅くまで遊んだりしたこともありましたし、あとは自分は乃木坂が好きなんですけどそのイベントにもよく行ったりしてましたね。
──何か僕のイメージしていたオフの日がほとんどないような体育会の生活とは少し違いますね。
外山 実際強豪校はそんな感じだと思いますよ。寮だったり門限だったりあって自由な時間は取りにくいと思います。そういう意味では、自分は強豪校じゃなくてよかったと思う面もありますね。
──乃木坂に行けない生活は嫌ですか?
外山 厳しいですね(笑)。自分は乃木坂に応援されたおかげで箱根に行けたというのもあるので(笑)。予選会前のイベントで「予選会頑張って!」の言葉をもらえてより一層気合が入りました。
──レースの前に乃木坂の曲を聴いたりとかはしますか?
外山 西野七瀬さんのソロの曲で「もう少しの夢」という曲があって、今の自分と重ね合わせて聞いていましたね。乃木坂の歌なので軽く見られちゃいがちですけど、すごく歌詞が良くて、自分にすごく刺さりました。予選会の前は行きかえりの電車とか、それこそ当日の朝も聞いていました。
学生連合のたすきを、ゴールまで運びたい
──もし、走れる区間が選べるなら、ここが走りたいという区間はありますか?
外山 強いて言うならアンカー(10区)を走りたいと思ってます。
──その心は
外山 なんでかというと、1区とか2区ならテレビで映ったり、周りに選手がいる中で走ったりして華々しさはあると思うんです。
けど、学生連合って色々な大学の人が集まるじゃないですか。駅伝に懸ける思いっていうのも一人一人違うと思うんですけどそういう人たちが繋いできたたすきって掛けるの楽しそうじゃないですか?
それぞれバックグラウンドが全く違う9人が繋いできたたすきを10人目としてかけてゴールしたいなと思いますね。
あと、自分が5年生で最上級生というのもあるんで、「先輩」の立場として、学生連合の最後をしっかりと締めたいなと思います。
──みんなの汗が染みこんだたすきってよく言いますね。
外山 自分は正直汗の染みたたすきはそんなに好きじゃないんですけど(笑)、まあそういう経験もアリかなって思ってます。
──箱根では、どういう走りを見せたいと思っていますか。
外山 自分は正直高校までは全然大した選手じゃなくて、大学入ってからすぐ表舞台に立ったわけでもない、どちらかと言ったら無名の選手でした。
でもそういう中で、もし出走したら自分たち上智大学のようないわゆる「非強化校」の代表として、あまり環境が良くなくてもしっかりやることをコツコツこなしていけば結果につながるとか、なかなかうまく行ってない高校生とか中学生にも、我慢して地道に努力していれば箱根だって夢じゃないってところを見せたいですね。
──何かこれは言っておきたい!ってことはあったりしますか?
外山 もう少し大学が盛り上がってほしいですね……。意外と話題にならなかったなと自分の中では思っています。
──僕らも何とか盛り上げていきたいと思っています!
外山 盛り上げてもらえるのはすごくありがたいですね。そうなることで、自分だけじゃなくて、陸上部が注目されてもらえたら、部員が増えたりしてもう少し来年の予選会の出場が楽になるかもしれないですし。最後自分にできることとして、外向けに上智大学陸上競技部の名前を上げることによって、来年以降少しでも楽してもらえたらなと思います。
──ということは、今までは苦労されてきたんですね…….。
外山 あまり知られていなかったので、部員が少ないのもそれが如実に表れた結果だと思います。実際陸上やろうと思って上智大学にくる人いないですよね。「学生連合に選ばれた人いるんだ」といった感じで陸上部に高校生とかが興味を持ってくれたらいいなって思います。
──最後に、上智生に向けてメッセージをお願いします。
外山 みなさんお正月はだらだらと過ごすと思うんですけど(笑)、そんな中でも少しでも興奮を味わってもらえるようなシーンを見せられたらなと思うので、本戦出走を目指して頑張ります。みなさん応援よろしくお願いします。
そして、「もう少しの夢」を叶える時が来る
外山選手にとって、箱根駅伝は遠すぎて夢とすら認識できない存在でした。
それを「もう少しの夢」と言える段階まで外山選手はやってきました。
「箱根、無理かもしれない」と思ったこともありましたが、外山選手は決してあきらめませんでした。
なぜなら、「もう少しの夢」は自分だけのものではなく、自分の大切な人たちの夢にもなっていたからです。
陸上は走っている最中はひとりですが、そこに立つまでには多くの人の思いが込められています。
こういった人々の思いと、それに応える外山選手の強さが快挙に繋がったのだと思いました。
さて、外山選手が箱根駅伝出走ということになったら、上智史上初の快挙です!
あとは学生連合内での選考を残すのみとなっていますが必ずや突破してくれるはずです。
そして、箱根路を上智大学のユニフォームで駆ける外山選手をみんなで応援しましょう!僕も応援しております!
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