10月31日、渋谷にて

こんにちは!Tomです!

ソフィア祭も終わってほっとする間も無く冬の訪れを感じる時期になりましたね!

ソフィア祭は大盛り上がり、とても楽しいイベントとなりましたがその前にもう一つ大きなイベントがありましたね?

そう、ハロウィンです!!

元々は秋の収穫をお祝いし、先祖の霊を迎え、悪霊を追い払うためのイベントで、お化けの格好をした可愛い子供たちがトリックオアトリートといろんなお家を訪ねながらお菓子をもらっていくというものでしたね。

トリックオアトリート!

しかし、日本のハロウィンといったらどうか。
大勢の若者が奇抜な格好をし街へ繰り出し夜な夜な徘徊する、そんなイベントへと変貌していると言えます。

そして若者がどこに行くか。
渋谷なんですね。

去年もニュースではいろんな問題が報道されましたね。
軽トラをひっくり返しちゃったりなんだりで流石にやりすぎだろうと印象を皆さん抱いたと思います。若気、至りすぎ。

そんなこんなで今年の渋谷ハロウィンに対しては渋谷区も路上や公園での飲酒の禁止、イベント開催地周辺の飲食店にアルコール飲料の販売自粛の要請、さらには警察動員数の増加など相当の対策をしました。

ここまでの規模の対策が取られるほどの渋谷ハロウィンなるイベントは一体どんなものなのか?突撃してきました!

……の前に忘れてはいけないのが仮装!
中途半端な仮装をすると逆に浮くということは去年得た教訓であるので(実は去年も渋谷ハロウィンに行きました)今年はわりと本気の仮装をしました!

準備

私が化けたのはこちらのキャラクター。

©2014 Warner Bros. Entertainment Inc.

今映画などで人気の「バットマン」に登場する悪役、「ジョーカー」ですね。(ちなみにまだ映画観ていません。にわかでごめんなさい。)

こいつに化けるために私はドンキへと向かいさまざまな道具を揃えました。
フェイスペイント、赤いジャケット、口紅、カラーワックス…。
当日に買ったものを忘れるという痛恨のミスも重なり出費はトータル8000円。
今からやろうとしていることと財布の事情を考えると色々イタい。

そんなこんなで生み出されたのがコイツです。
(下に掲載する画像には不愉快なコンテンツが含まれている可能性がございます。こちらに関して不愉快な感想を抱かれた場合においても記者、および弊団体は一切の責任を負いかねますので予めご了承ください。)

様々な犠牲の上に生み出された今回の仮装、完成度はそれなりに高いと評価できると思います。この世界の絶望という絶望をすべて味わい尽くしたような人間の表情もまた個人的にポイント高いです。

当日

部活を終え、いざ四ツ谷から渋谷へ。

道の途中声をかけて来る外国人。
『My Joker was better than you!』

この時ほど自分の英語力のなさを悔いたことはありません。何も言えなかったのでとりあえずニタニタ笑っときながらスルーしました。

これは丸の内線列車内にて窓に映る自分の姿をみながら爆笑しているところを部活の後輩に目撃され、インスタにて晒されたときの写真です。
後に羞恥心のあまりに自害しかけたことは言うまでもありません。

とても楽しそう。

渋谷についたのは22時頃、もうすでに多くの人々で街は溢れていました。
周りの景色を見回すと奇抜な格好の人間ばかり。ここで感じる謎の帰属感。

『hey Joker!』
いきなり顔面白塗りの変なお兄さんに声をかけられました。こわかったです。

でもとりあえずここで本日一回目の記念写真をパシャリ。

ふたりのジョーカー
仮装で顔はあまり識別できませんがいちおうプライバシー保護の観点からぼかしました。

さて、駅から出たはいいものの人の数がえげつない!
あたりを見回しても人の頭とビルしかみえません。
スクランブル交差点を渡るのに20分はかかりました。

交差点を渡りきったあとはもうひたすら写真を撮るためにいろんな人に声をかけまくるだけです。
知らない人に声をかけるのは勇気のいることではありますが、たいていこういうところに群がる若者はノリがいいので答えてくれます。バカになったもん勝ちです。

ところで皆さん、もう今年の渋谷ハロウィンの本質は理解できたでしょうか。
そうです、言ってしまえば規模が大きくて大変にぎやかな写真撮影会なのです。
血気盛んな若者にとってはおっきい合コンです。
スーパーチキンボーイの僕は写真を撮るだけで、そこから先は踏み込めませんでした…。

ここからは僕が撮った写真を少しお見せします。

今年の人々の仮装を一通り見てみた感じ、やはりバットマンの悪役である「ジョーカー」と「警官」、それと「バニーガール」が多かった気がします。
ジョーカーに関してはやはり仮装の容易さと映画の公開が大きく関係していそうですね。

「警官」に関してはコスプレだけでなく、本物の警官も多かったです。さすが、規制を強化したというだけありました。こんな若者のどんちゃん騒ぎのためだけに皆様を動員させてしまって本当に申し訳ありません。
おかげで何のトラブルもなくこのゴッサムシティの夜を生き延びることができました。

しかしここで緊急事態が発生します。
僕の膀胱が急にアラームを鳴らし始めたのです。
なにせ渋谷についてからはお手洗いに行く余裕も、場所も見つからなかったのですから。決壊するまえに帰らなければ。
僕はこうして帰路につきました。

さよなら、渋谷。

こんな感じで今年のハロウィンは終わりました。
やっぱり大事なのはモラル良識。これさえわきまえていれば、渋谷ハロウィンも知らない人と仮装を楽しみながら交流ができる平和なイベントです。

ただ、やっぱりこれだけの人が集まるとゴミや騒音の問題、そして多少のいざこざは避けられないかと思われます。結構このイベントに対してはこのようなことから反対意見も聞きます。
そして気が付いたのは「ぶっちゃけ写真撮る以外やることない」ということです。8000円もかけてわざわざ定期券外まで行って足を疲れさせ、得られたのは数十枚の写真だけ。
冷静に考えるとマイナス面ばかりが目立ちますね。

大体 、このイベント自体、日々フラストレーションを抑圧している若者がこういう機会に乗じて羽目を外して発散するみたいな印象は否めません。
このように考えるとこのイベントが持つ社会的なコンテクストのようなものが見えてきますね…。
ハロウィンの時期は少し景気が良くなるとは聞きますが、このイベントによる経済効果はむしろマイナスだと主張する記事も私は見かけました。
参加しておいてなんですが、別にこんなイベントは禁止にしちゃってもいいじゃん、とは個人的に思います。

さて、きれいにまとめてそろそろ記事が終わる感を醸し出しておいて、まだこの話には先があるのです。
前言撤回、僕のハロウィンはここからでした…。

帰路にて

帰る、とは言えど家は遠くて次の日も早いので私は高円寺に住む友人の家に泊めてもらうことにしました。

しかし渋谷を抜けてしまえばそこにはもう日常が待ち構えています。
顔面白塗りの緑髪野郎など受け入れてもらえるはずがありません。

新宿駅ホーム、階段、連絡通路、いたるところですれ違う人々は僕に一種の侮蔑が入り交じったような好奇の目を向けます。先程まではそうではなかったのに街を出たとたん社会の異端者のような、そんな感覚を抱きました。
ほんとにつらかったです。ときたま見かける仮装した同胞を見ると涙が出そうなほど安心し、孤独感が和らぎました。

電車で隣に座ってきた東南アジア人はめちゃめちゃ僕の顔を見てきます。僕よりあんたの隣のその泥酔した奴を看てくれないか。

ガラス窓の向こうに流れる景色、そこに映る白い顔とにらめっこしながらひたすら時が過ぎるのを待ちます。
先程の泥酔東南アジア人の放出した吐瀉物など全く気にならないくらい僕の心は打ちひしがれていました。

表情が物語る。

気が付くともうそこは高円寺。
重い腰を上げてホームに降りると忘れ去っていた尿意がこんばんは。
私はトイレへと駆け込みました。

手を洗い、駅を出るとそこには懐かしい友の顔。
私はこんなにも変わり果てた姿なのに、彼はあのときと変わらない笑顔で俺を見ているのです。ありがとう、友よ。

涙とフェイスペイントで汚れたクレンジングシートはこの夜の思い出とともにゴミ箱に捨てました。
こうしてジョーカーはゴッサムシティから姿を消したのです。

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投稿者: Tom

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