【ノーカットインタビュー】TBSアナウンサー田村真子さん

ア) それでも、生放送を拝見させていただくと、毎回シャキッとされていて、かっこいいなと思っています。お仕事中はどういったことを考えていらっしゃるんですか?

放送が始まるとなると、スイッチが入る感じです。でもやっぱり眠いんですよ。朝弱いからなのか、メイク中はもうあくびしまくってますね。 でも、オンエアになると緊張感もありますし、番組自体が楽しい番組なので、目が覚めてきます。

ア) そうですよね。「朝はニュース」というイメージが強いので、番組が始まった時、朝に大喜利があるバラエティでニュースなしっていうのが、かなり珍しいと思いました。

確かに。そうですよね。私も自分がやってる側なので、 見てる人があの時間からどういう感覚で番組を見てくださってるのかが、いまいちわからなくて。起きたタイミングで、ああいう番組がやってるのって、どういう感じなんだろうって思ってます。

ア)そうですね。朝はちょっと気が重いじゃないですか。眠いし、めんどくさいし。

そうですよね。まだなんかふわーっとした感じですよね。

ア)それで、テレビから笑い声が聞こえると、やっぱりちょっと気分が上がりますね。

本当ですか。なんか、こんな朝から何やってるんだろうって思われてんじゃないかなと思って。みんなテンション高くて(笑)。

ア) 田村さんも企画には関わられるんですか?

たまに事前に聞かれたりとか、オープニングのことだとありますけど滅多にないかも。基本はスタッフさんが考えて、それを持ってきてもらって、ちょっと 打ち合わせしてという感じで進めていきます。

ア)なるほど。そうなると番組の演出など連携が大事ですよね。

そうですね、やっぱりスタッフさんの芸人さんに対する愛があるからゆえの演出だったりするので。でも、そういうのは私たちもずっと一緒にやってきて、同じような気持ちでやってます。

視聴者の方も、同じような気持ちになって見てもらえるのは、すごくありがたいです。普通のニュース番組だと、そこまで同じ感覚というか、同じ目線で番組を見ることってあんまりないですよね。作り手っちゃ作り手側なんですけど、見てる人と同じように、スタジオの展開などを楽しんでやっているので、一緒に楽しめるのが1番だなって思ってます。

ア)毎朝楽しませていただいてます

よかったです!若い方が見ていただけていると。

ア)内容も堅苦しくなく見やすいので、学生で見ている人は多いと思います。

時間帯もちょうどいいですよね。よかった。選択肢の1つとしてそうやって思っていただけると。

ア) TBSは王道もありますけれど、番組として型にはまってないっていうか。「水曜日のダウンタウン」(2014年より毎週水曜日夜10時から放送中)みたいに他の局だとなかなかできないものもありますよね。

そう言ってもらうと、確かにそうですね。ちょっと変わったことをやってる番組があるかもしれないです。ちょうど「クレイジージャーニー」(2015〜2019年放送。2022年10月からは月曜21時に放送している紀行バラエティ番組)も復活して。 私が大学生の頃に見ていた番組で懐かしいと思って。「水曜日のダウンタウン」と「クレイジージャーニー」が水曜日に続けてやってたのをちょうどリアルタイムで見ていたので。

現場目線でのお話も!本当に貴重なお話です……!

ア)「ラヴィット!」のお話に戻るのですけれど、最初とは毛色が変わって、バラエティー色が強くなったことでの MCとしてのやりがいはありますか。

そうですね。最初の頃を思い出すと、結構番組の構成も変わりましたね。情報番組のように便利グッズを紹介したりとか。ランキングは今でもやってますけれど、ちょっとずつ減ってきて、ロケものが増えたりもしています。また、スタジオ展開がすごく増えたのでオープニングも伸びて。そういう意味では、今の方がMCとしての役割、その進行が担う部分っていうのは増えたなって思いますね。

ア) なるほど、MCとしての仕事量が増えているんですね。

そうかもしれないです。もちろん進行っていうのは変わらないですけれど、 スタジオ展開が増えれば増えるほど、ハプニングとか予測してなかったことが起きたりとか、皆さんもアドリブで動く部分っていうのが増えてきたりするので、 そういう点では成長させてもらってる部分があります。最初よりも大変かもしれないですが、その分やりがいも大きいです。

ア)もともと場を仕切ることがお得意だったのですか?

そんなことはなかったです。それはまあもう入社して場数を踏んでお仕事をさせてもらってくうちにという感じです。

でも、学生の頃からそういうワイワイ賑やかなところにいたので。それはもしかしたら、その時の経験が生きてるのはあるのかもしれないですね。みんなでワイワイするのがすごく楽しいタイプなので。

ア)雰囲気的には今の現場に通じるところがありますか?

そうですそうです!色々なことで、くだらないことでお喋りしてわーわー盛り上がるのとかも好きだったので、そういう意味ですごく性に合ってる仕事場なのかなとは思います。

ア)自分の適性を踏まえて、就職を考えるのがいいかもしれないですね。

確かに。でも、就活の時にそれを考えるのって結構難しいかもしれないですけれど。私もなんやかんや記者志望で アナウンサーになって、報道で行くのかなって思ってたら、なんかバラエティやってたりもしますし(笑)。

私を採用した人が、私の性格をどこまで見抜いてたかはわからないですけれど。就活とか面接とか自分をアピールする場でちゃんとした部分を見せなきゃとか、取り繕う部分はあると思うんですけれど、でも、どこかでの部分を出して、相手に見てもらえた方がうまくハマるところに採用してもらえるんじゃないかなと思います。

素」の部分……。なかなか難しいですが確かに大事かも!

もちろんね、カチッとしなきゃとか優秀に見えた方が採用されるのはあると思うんですけれど。 ちらっとでも、パーソナルな部分を出せた方が先々のこと考えるといいかも。無理してちょっと合わない会社に入っちゃっても、大変ですよね。

ア)合わないところに入っても心が大変になってきますもんね。ちょうど、僕(あいうえ夫)次が3年生で、就活のことを考えなきゃいけなくて。 

あっという間!

ア)何回か面接の講座を受けてたりしても、 自己PRとか、出せるものがなかなか思いつかないなって思っていて。ちなみに田村さんは自己PRについてどのようなことをされたんですか?

私は、面接の動画とかを送ったんですけれど、本当にちょっとした45秒動画。大したことないんですけれど、メディア業界だったので、「自分で気になったことがあったら、それを見に行ったりとか、自分の目で見たり、取材したり、確かめに行くことが好きです」みたいなことをその場では言いましたね。でも、実際に面接となると、やっぱり部活のことを話しましたね(笑)。

ア)なるほど!

茶道部のことを話したんですけれど、ただ自分がやってたこと、業務とかだけじゃなくて、例えばその中で一個、ハプニングが起こった時の話をしたりとか。そういうのは性格が出るんじゃないですか。そのときにどう思ったか、どう対処したかって、人それぞれだったりするじゃないですか。なんとなく自分の人柄が出るエピソードをポロっと出せると、いいんでしょうけれどね。

自己PRってね、確かに「これやりましたこれやりました」って、みんなすごいの出してきたりするじゃないですか。何位でしたとか、何点取りました、みたいな。 留学行きましたとか、木を植えましたとか 。そういうのは、上には上がいたりするので(笑)。どううまく話すかですよね。

ア)ありがとうございます。僕も実際当事者ですけど、同じような立場の読者が結構いるはずなので、 心が楽になったと思います。

参考になるのかわからないですけれど。でもやっぱり、個性が見えた方が多分覚えてもらえそうですもんね。あんまり、カチカチに、 真面目、真面目っていう感じよりは良いと思います。

ア)今はもう実績争いみたいになっちゃってますからね。

そうですよね。実績争いだとね、見る方も難しいですよね、その実績だけで、順位をつけるのは簡単かもしれないですけれど。でも、一緒に多分仕事をする上で、 どういう人かっていうのは絶対見たいと思います。やっぱり、「働きやすそう!」とか、「この子が部署にいたら面白そうだな」とかって、多分思ってもらえた方が…… 。同じような、実績とか数値を持ってても、結局はそこで差がついたりするんじゃないかなって思います。

ア)確かにそうですよね、本当に。

ちょっとキリがないですもんね。急に立派な経歴を作るっていうのも大変ですもん。

ア)就活中でも、そうでもない時でも、それこそ例えば新聞学科のご友人の中にもすごい経歴を持っている方がいっぱいいませんでしたか?

みんな何やってたかなあ。やっぱり焦りますよ。それこそ、インターンとかでも、海外にインターンにいく子とかがいたりとかするんですよ。みんながみんなそういうわけじゃないので、 焦る必要はないのかもしれないですけど、そういう人っているから(笑)。

となると、自分もなにかしなきゃとかって思って、焦ったりもしますよね。私はメディア系に興味があったので、 NHKでバイトしたりとかしてたんですけど。でも、多分実際それが就活に役に立ったかって言われると別にそういうわけでもなかったんだろうなって思ったりもして。

ア)もう最後は1人として、自分自身っていうことですね。

もちろん、インターンに行って、何か自分がそこで得たものがすごくあってそれをうまいこと面接で 出せればいいかもしれないんですけれど、見た目だけを追いかけて、いろんなことしてもね…という感じですよね。

逆に、「君そんなことまでしたのに、あんまり話せないね」とか、「そこまで心から何かを感じたこと得たものがないんだね」ってなると、それもそれで多分、マイナスですね。「そこまでのことをしといて、これなんだ」ってなっちゃっても困ると思うので。

ア)もう逆効果になっちゃいますね。

だから、面接で聞かれて何かしらうまく話せるものが一つあればいいんじゃないかなって思うんです。それは別に趣味でもいいし、就活のために、寄りすぎたことじゃなくても。「得たことを社会人として使えるな」と、聞いてる人に思ってもらえるのが、多分1番だろうなって思いますね。

ア)貴重なアドバイスをありがとうございます。

ア)学生時代と比べて、心境に変化はありますか?

社会人になって、精神的にしっかりした部分はありますけれど、基本的には全然変わってないですよ。未だに、部活や学科の同期と会う時に、話している内容って変わらないです(笑)。

でも、用事があって、たまに大学の近くを通りかかると、学生時代の気持ちを思い出すんですよね。 1、2年生の頃の大学生って、まだ自分がどういう進路に進むかもわからないのは不安なんですけど、無限に可能性があるじゃないですか。 これからどんな出会いがあるのか、どのような興味のあるものに出会っていくのだろうか……。そんな気持ちを思い出します。「これからどうにでもなる!」みたいな、 あの感じがめちゃくちゃ羨ましいと思うことがあります。

なるほど……!今学生時代を過ごしているとなかなか気付けないですがこの時間は本当に大事な時間なんですね。

今、考えると、あんなに時間があったのに私大学生の時何やってたんだろうって確かに思います。 学生時代は普段は茶道部と学校の授業とバイトと……でも、バイトはそんな毎日別にやってたわけでもなかったかな。

ア) 先ほど少し伺いましたが、NHKでのバイトはどういった内容のお仕事をされていたんですか。

私はNHKのBSニュースの部署で、放送で使う用の進行表みたいな、スタッフの人が放送する時に見る進行表を、普通にコピーして、それを配ったりとかの雑用です。コピー機の紙を変えたりとか。だから、そんなに就活とかで自慢げに話せるもんでもなかったんですけど。 一応そういう業界を見ておいた方がいいかなって思ってやっていました。

ア)そうなんですね。ニュースに触れる機会は比較的多かったんでしょうか。

確かにね。まぁ身近だったんで多かったんです。この学生時代、なんでもできたなっていうのはありますね。

ア)学生のうちにやっておいた方が良かったことはありますか?

私は、先ほどもお話したように企業が講師を派遣してくれるような授業や、メディアで活躍してるような有名な学者や専門家の講演とかに行ってましたね。面白そうだなと思って。

ア)面白そうだなって思うものもやってみた方が?

やってみた方がいいと思います。もしかしたらね、授業とか講演で聞いた浅い知識でも 自分の幅を広げるっていう意味でも、そういうのは絶対聞いたりとかした方が面白いと思います。

ア)それから、よく語学は大学生のうちにと言われますけれど、そう思う時はありますか?

思いますよ、本当に。私は英語と二外(第二外国語)で韓国語を取ってました。 二外って必修が2年生までなんですけど、もっと3、4年生まで受けておいた方が良いかも。

私も社会人になってもう1回英語を勉強したいなって思って、時間があったコロナの時期にやったりしてたんですけど、あのまま3、4年学んどいた方が絶対効率的だったよなって思うんです。

ア)今もう一度大学1年生として入学するとしたら、どういったことをしてみたいですか?

もっといろんなこと見てみたいなって本当に思いますね。勉強したものが役に立たない世界に進むとしても、浅い知識でいいから身につけたかったなって。勉強の分野で、いろいろなものに1回触れておいた方がよかったかなって思います。

まぁ、だらだらするのも醍醐味なんですけどね。それもありっちゃありです。

最後に……

ア)これから入学する1年生にメッセージをお願いします!

やっぱり、友達をいっぱい作って、サークルか、部活に入った方が楽しいと思うので、自分に合う、居心地のいい場所を見つけてもらって。なおかつせっかくこれだけ素晴らしい学ぶ環境が整ってる大学に入れるので、色んな視野を広く、色んなものに触れてもらいたいって本当に思います。それは卒業してみて、より一層思うので。
よく分からない授業にわざわざ手を出す気になれないかもしれないですけれど
、別に1年生のうちからじゃなくても、2年生、3年生とかになってからでもいいと思う。絶対どこかで役に立つし、自分の知識の蓄積にはなると思う。
せっかく通うんだったら、4年間で学んでいっぱい吸収してほしいですね。貴重な4年なのでね。
もちろん、たくさん遊ぶのもいいと思います。社会人になってからの方が、一歩踏み出す足取りがだいぶ重いと思うので。学生のうちだったら、どの授業をとっても、別に追加料金かかるわけじゃないし、気軽に色んな授業を見てもらいたいなって思いますもんね、せっかくですもん。この4年は大きいですよ!人生の中で。本当!

ア)お忙しい中、ありがとうございました!

インタビューを終えて……

貴重なお話をたくさん聞くことができました!学校生活から就活と幅広くお話ししていただきありがとうございました。

初めてのインタビューに緊張しましたが、気さくで朗らかにお話ししてくださり、大変楽しいインタビューでした。お忙しい中ありがとうございました!

田村さんのお話を伺い、日々の授業を大切にしようと思い直しました。これからのご活躍を応援しております。

「スキ!」を押すとこの記事を書いたあいうえ夫が喜びます!

投稿者: あいうえ夫

特になし夫
キャンパスライフの記事をCheck!