こんにちは。
男の男による男のための女装企画の後編です。
今回は化粧に加えウィッグをつけて完全に女の子となって街を歩きます!
長い髪や化粧は実際に体験してみないと分からない辛さがたくさん!
全男に告ぐ———女の子はいろいろ大変だぞ!!
というわけで後編スタートです。
前編はこちらから→かわいいは作れる~男の男による男のためのメイク~【前編】
メイクをレベルアップさせるのだ!
初回のままのメイクではいけない。男どもはもう一度メイク雑誌を開き研究を続けた。
毎週の会議の時間はほぼ全てメイクに費やした
購入したメイク雑誌は隅から隅まで読み返した
時にはメイク落としを家に忘れ、そのままの顔で帰ることもあった
メイクしたまま食事をしたら、口紅が落ちた
メイク中に起きる笑いはいつしか消え、男たちの目の真剣なものになった
そう———全ては可愛くなるために……!!!
そしてたどり着いた―
……………………………。
なんだこれは。
取る手立てが無くなった男どもは女子部員に泣きつき、アドバイスを求めた。
「アイライン下に入れちゃだめ!」
「舞台メイクだよこれ」
「日本エレキテル連合みたいwww」
「メイクを舐めてる」
などとストレートに罵声を浴びせられてしまった。
この反省を活かしナチュラルメイクに方向転換することに決めた。もとは男なので、それを乗り越えようとメイクを濃くしすぎたようだ。
ウィッグを購入するのだ!
顔をいくら化粧したところで、髪が短ければ男の娘から逃れることはできない。
今の俺たちに必要なのは、なによりも髪の毛だ!
「女性らしいものがいいよね」
「ならロングじゃない?」
「ロングなら骨格も隠せるしいいんじゃね!」
というわけで購入したものはこちら
「かわいい!」
「これ被れば女子になれるだろ!」
「あまゆる女子目指すぞー!」
悲惨な現実から目を背けるようにして、男どものウィッグへの期待は膨らんでいった。
ウィッグが届いたのだ!
高ぶる気持ち——
気合が入る化粧——
そして、その時は訪れた———
おおおおお。髪の毛があるだけでこうも違うものか。
ちなみに横からの写真がこちら
友達に「バンドマンって言われたら分からなくもない」と渋い顔をして言われたのでベースを担いで下北沢に駆り出してみる。
下北沢に行ってみたのだ!
世田谷代田から下北沢まで歩いていく。
約1kmほどの道のりではあるが、通行人も多く恥ずかしさと視線を感じる。
道中すれ違う全ての人から奇異の目を向けられ、近づくと目をそらされる。
完全に変質者である。
慣れない長い髪は煩わしいが、首元に温かさも感じられ冬には心強い味方となる。
お得な看板を発見したので記念撮影をした。
果たして彼は無料で飲み放題できるのだろうか………。
街の人々にコソコソ笑われ、子ども連れの親には明らかに避けられ、子供とお年寄りにジロジロ見られながらも下北沢に到着。
日曜日ということもあり、商店街には人があふれている。
商店街に入るや否や女性の方とぶつかってしまい謝ったら、ものすごい笑われた。カメラも回していたので芸人さんかユーチューバーか何かだとでも思ったのだろうか………。
何はともあれ、こんな見た目の人間に笑顔を向けるとはすごい度胸である。
下北沢ということもあり、街には服や靴を扱う店が多い。というわけで、彼も靴屋でレディースの靴を選んでみた。キュートで女の子らしいアイテムをセレクト。今回挑戦できなかった服装面への意欲も見せた。
店員さんはジロジロ見てくるが、彼がそっちの方を向くと店員さんは目をそらした。
お腹も空いてきたのでレストランに入った。
屋外ならまだしも、室内だとより注目を集めてしまい辛い。
肉を食らう姿は完全に男のそれである。
肉を食べようと下を向くと、髪が垂れ下がり髪が口に入り一緒に食べてしまう。
リップが落ちてしまうので唇が食材に触れないように注意するのだが、これが大変。
口元が汚れても、強くふき取ると全てふき取られるので難しい……。
つまり、ものすごく食べづらい。
店員さんは変わらず接客してくれたが、明らかな動揺が見られた。
女装を終え……。
体験してみてわかった女子の辛いところ
・美容用品は高い
化粧品を安く買っても一式8000円かかってしまう。お財布には大打撃である。
・朝の化粧がめんどくさい
やることが多く、雑にやることもできない。時間もかかり精神的にも疲れる。
・髪が本当に煩わしい
下を向くと非常に邪魔。食事の際や靴紐を結ぶ時に苦戦する。
・すぐに髪が崩れる
男のように短くない髪の毛。首を動かしたり風なんかで簡単にボサボサになってしまう。
・顔を触れない
化粧が落ちるので顔は触れない。かゆいところをかくのも慎重になるし、なにより食事の際に口紅が落ちないようにするのが大変。
・化粧直し
どれだけ気を使っても化粧は落ちるもの。トイレが化粧室と言われるのも納得できる。
日常にストレスとなることがこんなにあるとは思いもしなかった…… かわいくなるというのは想像以上に険しい道のりだった。
最後に男どもはこれまでの道のりを振り返って一句詠んだ。
可愛くなることは難しく、半端者に対する世の目線は冷たい。けれどもその眼差しの奥には100年以上も良妻賢母を育んできた精神と同じ温かさが宿っている。
優しく教えてくれた化粧品販売員の方は言うまでもなく、戸惑いながらもサービスしてくれた店員さん、微笑んでくれた人、目をそらした人、奇異の目を向けた人、全ての方々の支えがあって男どもは知られざる女性の苦労を学んだ。
「恥を知れ」――この言葉の重みをしみじみと感じ、詠んだ歌。
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