【プロフィール】
村田紘資(むらた・こうすけ)
洋弓部
法学部法律学科3年
「お祭り」のような上南戦
——洋弓部にとって、上南戦はどのような試合でしょうか
上南戦の試合形式はリーグ戦と同じで、もちろん点数はこだわるのですが、どちらかというと南山大学との「お祭り」のような感じですね。
昨年は、試合前日に観光と食事会をしました。だから、バチバチで戦うというよりは、両者和やかなムードで、交流してお祭り気分で戦うみたいな感じです。
2泊3日の1日間は、観光のために充てられています。昨年は池袋と浅草、上野、お台場の4グループに分かれて、それぞれ観光をしました。本当に同じ大学の同級生と遊びに行く感覚です。
選手同士も仲が良いです。試合の時も、もちろん点数は競っているのですが、和やかな雰囲気の中行われます。でも、点数自体は出さなくてはならないので、緊張はしますね。
洋弓とは「再現性のスポーツ」である
——ルールについて簡単に教えてください
「2分間に3本打つ」いうルールで、それを2回繰り返して計4分間で6本。それを1エンドと言います。計6エンド繰り返して、1ラウンドです。だから、1ラウンドで36本の矢を打ちます。
50mの競技の後に、30mも同様に行います。合計72本の得点で競うスポーツです。
——集中力を保つのが大変ですよね
そうですね。集中力の持っていきかたも人それぞれです。
結局は打ちまくって、慣れるしかないです。体力面・精神面ともに、72本くらいは余裕で打てるくらいまで練習するしかないですね。
少しでも期間をあけると、感覚は鈍ってしまうんです。僕は、2月くらいにインフルエンザになったんですよ。それで1週間ぶりに練習したら、72本どころか36本もまともに引けませんでした。
だから、他のスポーツよりも継続が大切であると思いますね。
例えばサッカーや野球は、団体戦である分、対応力が要るのに対して、洋弓は再現性が重要です。いかに練習と同じことを再現できるか、ということです。10点打つ打ち方を72本できれば、絶対に720点満点が取れるっていうスポーツなので。
——洋弓の魅力は何ですか
最初打ち始めた時は全然当たりませんが、続けていくうちに、的の真ん中に寄せられるようになります。初心者でも1年くらい練習すれば、出来る様になります。
遠く離れた的の真ん中に自分の射った矢が当たった瞬間の爽快感は、他のスポーツでは味わえないと思います。
主将としての苦悩
——自身の注目してほしいポイントはなんですか
まずは、上智・南山の中で1位を目指す選手として、点数を見てもらいたいです。
また、主将としてチームを引っ張っている姿を見ていただけたらと思います。声かけや部員全員で矢を取りに行く際に、綺麗にまとめるのが主将の役目です。
——主将としての大変さはどこにありますか
普段の練習の仕切りは、基本的に主将が行います。
洋弓は打つ時に声かけをするんですよ。「楽に打っていこう」とか「リラックスして」みたいな感じです。それを率先してやるので、試合に没頭するのではなく、的に中てることに集中しつつも、周りを見渡すことが増えました。
どんどんプレッシャーが積み重なって、ネガティブ思考になった時期もありました……。
——弓の種類は選手によって全然違うんですか
そうですね。メーカーによって、性質が全然違います。
硬くて弓を引くのが辛い分、弦の戻りが早くなるものもあれば、軽いものもあります。
——みんな自腹で揃えるんですか
そうです。諸々合わせると、30万を超えます。本当にめちゃくちゃ高い。種類や色が沢山あるので、カスタマイズできるという楽しみもあります。
試験も部活もチームプレー?!
——好きな食べ物は何ですか?
甘いもの全般が好きです。特に好きなのは、ケーキとチョコレートですね。
部活の女子より食べてるんじゃないかっていうくらい、甘いもの好きです。カバンにお菓子がない日はないっていう感じです(笑)。
——学科ではどのような感じでしょうか
洋弓部には法学部生が多いです。同期だと、7人くらいいます(笑)。だから、結局みんなで同じ授業を受けて、同じ試験勉強をして……といった感じです。部活以外に友達が少なくなっちゃいます(笑)。
試験期間の土日は、図書館の地下に集合して、わからないところを訊きあったりしていますね。
——ずっと「チーム」なんですね(笑)。
チームプレーで(笑)。
——最後に記事を読んでいる人に一言お願いします
僕もそうでしたが、洋弓って人生でほとんど経験することのないスポーツだと思います。だからこそ、上南戦という機会で、洋弓という競技の性質に少しでも興味を持っていただければ、嬉しいです。
【取材を終えて】72本を打ち続ける集中力や精神力もさることながら、自分の放った矢の行方を正確に認識できる視力の良さに驚きました。また、対戦校と観光や食事会をして親睦を深めるのは、私にとって非常に新鮮でした。和気藹々としながらも、緊張感のある72本から目が離せません!
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