SOPHIA KYOUIN COLLECTION #3 新聞学科 国枝先生

気温が上がり、服も心も軽くなってきた今日この頃。

春休みも終盤にかかり、そろそろ新学期の履修登録も始まる時期ですね。

「今学期こそ真面目に授業出るマン」のあなた、そんなあなたに、この記事です。

 

SOPHIA KYOUIN COLLECTIONとは?

この企画「SOPHIA KYOUIN COLLECTION」では、

1.上智大学の学生の推薦をもとに、

2.大学の素敵な先生方を調査し、

3.取材を通して先生の専門分野に対する信念に触れ、

4.先生の分析結果をイコライザとしてまとめ、

5.みなさんの学習に対するきっかけづくりをお手伝いします!

ね、面白そうな企画でしょう?

待望の第3回目にご紹介する先生は文学部新聞学科国枝先生です!

 

 

#3 国枝智樹(くにえだ ともき)先生

 

【プロフィール】

上智大学法学部卒。上智大学にて新聞学の博士号を取得。

現在上智大学准教授。

2019年の春学期は金曜日の4限PR論を担当。

 

(撮影、協力アリオーゾ部員:カトウソ)

 

PRって、何ですか?

※PRとはPublic Relationsの略

 

人は常にPRに触れている

 

PRを担当する人は記者会見やイベントをしたり、PR動画をつくったりします。マスコミやブロガーに取り上げてもらったり、ソーシャルメディアでの投稿にリプライしてくれる人たちと交流したりします。組織や担当者によって異なりますが、こういったコミュニケーション活動を担当します。幅広い活動で、テレビCMや新聞広告という形をとる狭い意味での「広告」に比べると、PRはいろんな形のコミュニケーション活動を含むという特徴があります。マスコミの取材に対応したり、会社が社員向けに情報を発信したり、社長の服装や話し方をチェックしたり。組織と社会、組織と組織の中とのコミュニケーションを管理する、そういう世界です。

「PRが何かよくわからない」という人は多いですが、見方によっては、人は常に何らかのPRに触れているとも言えます広告は子どもでも見分けることができるけれど、PRは大人でも見分けることができないことが珍しくありません。ただ、意識し始めるとそこら中で展開されていることに気が付きます。企業や行政、NGOは新聞や雑誌、テレビ、ラジオ、インターネット、イベント会場、そして大学など、様々なメディアや場において、様々な人に向けて情報を発信し、様々な人から意見や感想などを収集しています。

最近だとPR動画が注目されていますし、企業によるTwitterアカウントを通した消費者との積極的な交流や、LINEスタンプを作っていろいろな人に互いに送り合ってもらうことも。LINEスタンプについて仲間内で話題にしたり、送り合ったりするなかで、自然とその企業に対して親近感が湧いたりする。本当にいろんな形をとる、複雑なものだと思います。「PRとは何か」について話し始めたら、つい話が長くなってしまいますね。

 

――PRは広告と違って複雑なコミュニケーションなんですね。

 

先生はどうしてPRに興味を持たれたのでしょうか?

国際関係からPRへ

 

大学3年生のころ、国際関係を勉強したいと思っていました。大学に入るまで、いろんな国に住んでいていろんな体験をしたけれど、国際関係を勉強したら自分の経験したことが何だったのか、理解できるようになったんです。「あの時あの国で見たのはこの光景だったんだ」「国際政治や世界経済の動きを体験したんだ」というような気づきがたくさんあることに感激して、大学院では国際関係を勉強しようと考えました。

ところがシンポジウムやイベントに行ったり本を読んだりした結果、本当に知りたいことは他にあるのではないか、と思い始めました。いろいろなところで、「今の国際社会はおかしい、良くする方法はだいたいわかっているけれど、政治家の思惑が原因で適切な政策が実現できない。そんな政治家を選んでいるのは国民で、国民は偏ったマスコミの報道に影響を受けているから間違った投票をしてしまうのだ」というような話を聞きました。つまり、マスコミを理解すれば、あまり語られていない国際関係の側面も理解できるようになる気がしたのです。

いざマスコミとその報道について学び始めると、メディアの影響は強いとも、弱いとも言えることがわかりました。同時に、人びとはマスコミ以外のメディアからも様々な影響を受けており、親族や友人からもとても強く影響を受けていることがわかってきました。次第に、あらゆるメディアや人間関係の影響を意識したコミュニケーション活動を展開することで世の中に影響を与える、PRという領域に関心がシフトしていきました。

PRについてはしかし、PRの担い手があらゆる組織にいる一方で、PRを研究する日本人が少ないことも知りました。政府や企業、NGOは国際関係から商品・サービスに至るまで、あらゆるものの認識をどうやって形成しようとしているのか。外国に対する認識ではプロパガンダをイメージしがちですが、自治体ではPR動画を通した地域振興なども含まれ、その活動のあり方は時代とともに変化しています。世の中のあらゆる問題と関わるPRの世界は面白いと感じるようになり、専門的に扱うようになりました。

 

――「誰が人々の認識を作っているか」、考えさせられますね。

 

 

学生に伝えたいことはありますか?

大学生だけに提供されているチャンス

 

いろんな機会にチャレンジしてみることが重要だと思います。大学生だけに提供されているチャンスはたくさんあり、大学生を卒業した瞬間に失われるチャンスは少なからずあります。

大学生は将来を担う人材として社会からとても重宝されています。大学の中で社会の第一線で活躍している人と長時間お話することができたり、政府の支援を受けて留学や海外体験を格安で経験することができたりします。学生の可能性を引き出す様々なイベントを開催したり、体験を提供したりする団体も多数あります学生のうちに学内外のシンポジウムやイベントに参加したり、アルバイトやインターン、留学をするチャンスを見逃さないで欲しいと思います。

なんとなく勉強して、なんとなくアルバイトして卒業するのはよくあるケースですが、そういったことにちょっとでも興味を持ったら行動してみることをおすすめします。新しい世界も見えてくるし、気まぐれでやってみることにも意義があるはずです。

そういった経験が、その後の人生でいつ、どんな役にたつか、後にならなければわからないけれど、学生の間しかできないことは少なくない。僕自身、学生時代にいろんなことをやったけれど、大学で学んだことが意外なところで役に立ったり、大学外で体験したことが自分の将来を選ぶきっかけになったり、仕事のヒントになったりすることがたくさんあります。幅広く学び、経験し、遊ぶことで大学生活を楽しむことをお勧めします。

 

――大学生の4年間に何ができるのか見直したいですね。

 

先生はどのような学生時代を過ごされたのですか?

 

学生時代は長かったです。学部から修士、博士課程まで進みましたから。最終的には東京の、明治維新以降の広報の歴史に関する研究に取り組みましたが、博士論文がまとまるまで5年もかかってしまいました。

 

――先生は上智のご出身ですが、サークルはなにか入っていましたか?

 

サークルには時々入っていましたが、あまり真面目に取り組んでいませんでした。大学1年生の頃は国際法の模擬裁判サークルに入っていましたが、2年生では体を動かしたくなって、友達のいたキックボクシングのサークルに加わりました。高校時代にやっていたテニスや陸上、アメフトなどと違い、「実用的なことをしたい、フルコンタクトの格闘技をしてみよう」と思ったからです。昼休みにサンドバッグやミットを叩いたりしていましたが、最初の頃は練習後に手が震えて、3限の講義のメモを取ろうとしてもミミズのような文字しか書けなかったのが懐かしい思い出です。

アルバイトもいろいろとやりました。中華料理やホテルでの配膳、NPOでのボランティア、翻訳会社での翻訳バイトなどをしていました。大学院からは専門分野に近い、新聞社やPR会社、業界団体などでアルバイトをしていました。

 

――先生がキックボクシングをやられていたとは意外です!

 

 

番外編:先生のプライベートについて

ここからは取材班がこっそり伺った先生のプライベートをお伝えします!

 

Q.先生のご出身はベルギーだそうですが、その後どの国で過ごされたのですか?

日本やイラク、スイス、ベトナムを転々とし、高校でベルギーに、大学で日本に戻りました。

ご家庭では何語で話していましたか?

基本日本語で、英語やフランス語、ドイツ語が時々飛び交います親が国際結婚だった上に、いろんな国を転々としていたので多言語な家庭環境でした。

 

 

Q.キックボクシングのような体を動かすことがお好きなのですか?

やっぱり体を動かしていたいですね。高校ではテニスや陸上、アメフトなどをしていましたが、今でも運動することは好きです。

今はどんなスポーツを?

最近はジョギングとか平和なものになりました。

どこら辺を走るんですか?

家の周りをさっと走って学校に行ったりしています。ただ、締め切りに追われていると走らなくなってしまうのですが。

 

 

Q.先生の生活は規則正しそうなイメージがありますがどうですか?

よくそう言われるけれど、不規則。かなり不規則です。

実は規則正しくないのですね……!

22時に寝落ちてしまうこともあるし、朝まで起きていることもあります。締め切りに左右される生活スタイルです。

先生はとてもお忙しいのですね。

 

 

Q.休日は何をされてますか?

実家に行ったり、地域のお祭りに行ったりしています。

お祭り!ちなみに浴衣は着ますか?

浴衣は着ないですね。夏祭りには行くけど盆踊りを踊るほどの熱意はない、というところです。

なんだか意外な一面ですね!!

 

 

Q.好きな食べ物はなんですか?

しょっちゅう変わるんだけど、今食べたいものはチーズフォンデュ。何年も食べれていなくて、本場のものが恋しくなってきました。

これが好き!というものはないですか?

これが食べたい、というブームが来ては去っていき、次の食べ物に移ります。

今はチーズフォンデュの時期なんですね。

 

 

 

いかがでしたか?

様々な国で暮らしてきたバックグラウンドを持ち、その経験を活かした授業が人気の国枝先生を企画の編集長である私が分析をした結果、このようになりました!

インタビューを通して先生がPRを研究するに至った経緯を知ることができたり、大学生の時間の貴重さを教えていただけたことが印象的でした。

国枝先生、お忙しいなか取材にご協力いただきありがとうございました!

先生のおっしゃる通り、大学生の間にできることやらないと損だよな……とこれからの大学生活を見直すことを決意したところで今回はおしまいです。

 

次回にも乞うご期待!

 

 

この企画では、インタビューする先生を学生の推薦で選定しています。

みなさんの周りにいらっしゃる素敵な先生について、アリオーゾのメールフォームまたはtwitterfacebookよりご連絡ください!全力でインタビューに参ります!

上智大学の先生であれば、常勤・非常勤どちらもOKです!

自薦・他薦は問いません!推薦お待ちしています(/・ω・)/

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投稿者: ニッキー

文鳥かわいい
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