新しい未来の学校「MOA大学」創始者の2人が描く、コミュニティの未来

「エンターテイメントで学びの形を変える」そんな思いをもった二人が始めた、“業界のトップランナーが先生の学校” MOA大学
今回はお二人がMOA大学で何を実現しようとしているのか、時代の変化、それに呼応して変わっていくコミュニティについてお話を伺いました。

 

 

お二人について

今田孝哉 さん

1993年生まれ 福井県出身。学生時代は音楽・ブレイクダンスを行い、 13年には”野外音楽フェス”を立ち上げる。 「超大自然フェス」と題したイベントは、その企画のユニーク性から各メディアに取材され「福井で今熱い人~What’sHOT!~」として雑誌・新聞に取り上げられる。約10年間、エンターテイメントの世界に身を置いたことで、ワクワクする空間作りの素晴らしさを実感し、22歳の時に「エンターテイメントで世の中を変える」ことを志す。

 

松尾慎太郎 さん

幼少時にポケモンを通し、ひらがなより先にカタカナを会得。 大学時は街興しに携わり、功績が認められ、新聞掲載される。ところが20歳の時に、交通事故にあい、死の一歩手前までを経験する。身体が動かなくなり、一人でトイレもいけない・ご飯も食べられない、また過去の記憶が一部なくなるという極限状態を体験する。その際に『時間は有限である』『一人で出来ていることは少ない』ことに気付く。 後に日本・海外を3年ほど放浪する中で、もう一度九死に一生の経験 とかけがえのない仲間を得る。 卒業後は、スタートアップで働きながら、MOA大学を立ち上げる。

 

大学生時代の思い出を教えてください

今田さん
あまり真面目に授業をうけてないですね。先生が一方的に話すだけでつまらなくて、ほぼ聞いてませんでした…

 

松尾さん
僕一番行ってない年数回しか授業でてないです(笑)。テストは受けましたけどね。
でも聞きたい人の授業には東京とか京都とかカナダとか場所関係なく受けてました。

 

お二人の出会いはどこですか?

今田さん
会社かな。部署は違うけど同期で。すごいアグレッシブな人がいるなあって、始めからベンチマークしてました(笑)。

 

松尾さん
内定式のGW一緒だったんですけど、こんなに負けず嫌いなやついないなと思ってました。初めての営業同行でも、入社2週間目ぐらいなのに数億の社長に対して肘つけて「それ違いますね」とかいい出し始めて、何やコイツって(笑)。でも僕はそれぐらいの人のほうが面白いこと出来るんじゃないかなと思って、MOA大学やろうって言われたときに「やろう」って返しました。

 

 

MOA大学とは

MOA大学とはなんですか?

今田さん
「学びを遊びに」をモットーに、教育にエンタメの要素をかけ合わせて、より前のめりになれるような学びの場です。「(M)学びを(O)(A)遊びに」でMOA(モア)大学です。
ドラマとか映画って前のめりに見入ってしまいませんか? “メッセージを伝えること”という目的はセミナーや授業も映画も全て同じはずなのに、学びの場はどこかネガティブなイメージが多い。これって何が違うのかなと思いました。色々比べていくとドラマだとOPがあって、その後に感動のシーンが有って、クライマックスにはピアノ音が流れて感動する… これピアノ音がバックになかったりしたら感動って生まれにくいと思うんですよね。あぁこれは演出が大事だなあと。

 

7/8に行われた授業の風景。登壇者はSHOWROOMの前田さん、ブロガーのけんすうさん。画面左のスライドには参加者が登壇者に質問をしたり、その場でアンケートをとって結果を見たりでき、登壇者と生徒との双方向的なコミュニケーションが行われた。

 

大学の授業とかって教授が前に出て一方的に話すけど、MOA大学の講義では登壇者の入場の際やクライマックで音楽を流したり、東京タワーの真下で半年に1度開催している特別講義では、照明や映像・舞台を工夫してワクワクする空間づくりに拘っています。そういったようなエンタメの要素を、学びに掛け合わせていきたいと思ってます。
あとはインタラクティブ性も重要視していきたい。あえて少人数制で毎月2回授業を開催しているんですが、そこは常にお互いの顔が見える位置で、質問をしながら密に会話をしていく。交流会も必ず実施していて、1対1の会話ができる機会をできる限り沢山作りたいと思っています。極論、1000人の前でホリエモンの話を聞くのと、1対1でホリエモンの話を聞くのとではインプットの質が明らかに変わると思うんです。後者の方が前のめりに話に聞き入って、会話がより記憶されると思うんです。つまり距離感が重要だと思ってます。人は常に繋がりを求めていて、学びの場にも繋がりながら居心地のいい空間で学んでいく、という側面が重要だと思うんです。シンプルに楽しいこととか、ワクワクすることに人は流れるし、これからはより一層その方向に流れていくと思います。
そういった意味で、「演出」的な部分のエンタメももちろん重要ですが、空間設計の部分も重要なエンタメの領域だと思ってます。とにかく学びは限りなく遊び化すべきだと。

 

“特別講義”第2弾

MOA大学では7/23に、豪華講師陣が複数名登壇する講義、”特別講義”第2弾を開催するそうです。
登壇者には以下の業界のトップランナーが集結しています…凄いですね。

・落合陽一 先生(メディアアーティスト/筑波大学 学長補佐)
・ダイノジ大谷伸彦 先生(お笑い芸人 / ロックDJ)
・エハラマサヒロ 先生(お笑い芸人)
・ジョーブログ 先生(カリスマYoutuber)などなど

興味のある方は是非リンク先を確認してみてください。

 

MOA大学第一回“特別講義” オープニング

 

 

MOA大学をやろうと思ったキッカケはなんですか?

松尾さん
僕は単純に、生きててよかったなぁと思う瞬間の一つが「その人がその人の言葉で喋ってるとき」で、そういうキラキラしている瞬間が好きで、そういう場所を作りたいと思いました。
僕学生時代のときに全部単位制だったんです。でそういう環境の中で友達が漫画家目指したいとか俳優目指したいてなると「京大や大手いったほうがいいよ」とか言われる。そういうのが嫌でした。

 

今田さん
データによると、人って24歳で夢を諦めるそうなんです。社会にでて3年もすると、「●●で世界を変えたい」とか熱いこと言わなくなる。発信する場もなければ、会社に入って仕事をしていると、会社以外の夢をなかなか言える場もなかったりする。気づくと自分のやりたいことに折り合いをつけて、夢を追うことを忘れてる的な。それってすごくもったいないなって思うんですね。そうなる前に、みんなで挑戦を後押しする場とか夢を発信するとかの機会が必要だなと思って、だったらそういう場を自ら作りたいなと思った。

中学生時代テニスをやってて、熱中して毎日やって、県1位までになった。高校からのテニスの推薦も複数来ていたが、全部断ってブレイクダンスやり始めた。でも周囲には「お前は馬鹿か?ここまできてテニスをやめる理由がわからない」って言われた。先生にも友達にも「理解できない」と言われて、俺のこと応援してくれるひとがいなかった。「お前にはセンスがない」ぐらい言われて、「なんでこんな否定されるんだろう」って。
その前にもソフトボールと柔道とギターやってたから「お前はすぐ変える。一つのことやれよ」ともいわれた。ブレイクダンスやりながら音楽フェス立あげたら「お前どっちがやりたいんだよ、どっちか1つにしろよ」って言われて、何でやりたいことをやったらいけないのか、何でやりたいことを2つ同時にやったらいけないのかと。
そんな経験があって、大きな挑戦であればあるほど批判されやすいと思ってる。だから、今の批判する文化を、応援する文化に変えたいと思った。

 

 

MAO大学はクラウドファインディングで成功を収めていますが、その理由は何だと思いますか?

(第一回のクラウドファインディングでの支援総額は目標の294%にも及ぶ)

 

今田さん
2つあって、1つ目はまずしっかりと熱量をもって、それをつたえること。
スタート段階は実績もないので、まず想いや企画内容に共感してもらうことが重要だと思います。そのために熱量を持って、それを面と向かっての一対一の場で伝えたり、SNSで発信したり。とにかく熱量を持って想いを伝え続けることだと思います。

もう1つは周りを巻き込んで行くこと。作り手を増やす、ということです。どういうことかと言うと、ただ参加チケットを売るんじゃなくて、カメラマンになれる権利とか、スタッフになれる権利とか、デザイナーになれる権利とか、イベントプロデューサーになれる権利とか、色んな権利をクラウドファンディングのリターンとして提供していくこと。面白いことに、前回も今回もチケットよりも金額が高い作り手の権利が真っ先に完売しているんです。

『校長先生になれる権利』が2日で20万円で売れたそう。

 

これからの時代はクオリティの高いものを作って、単純にそれをお客様に見せつける形ではなく、クオリティはどうなるかわからないがお客さんと一緒に作っていく形がより一層求められていくと思います。つまり受け身型の消費から、参加型の消費への変化です。

もう完全にそっちが求められています。なので、あえて完成させないこと(未完成状態でリリースすること)、「作り手に回ってみたい」と思うようなコンテンツにすることをとにかく意識して作っています。
自分で言うのもなんですが、ここまで作り手の権利を全面的に力をかけて提供しているクラウドファンディングは僕らくらいだと思います。いろんなクラファンを趣味でよく見ていますが、前例がないような気がします。

 

松尾さん
テーマもよかったと思います。誰しもみんな今の教育に100%満足してないし、参加してくれた方もそういう思いをもってる方が多かったです。
あとは今田さんの人柄ですね。

 

 

MOA大学で今後やっていきたいことはなんですか?

今田さん
コミュニティのあるべき形をより突き詰めて、他でも応用できるような形にしていきたいですね。活動を始めてから、いかにインプットを最大化し、次のアクションが促進するような場を作れるかを意識し続けてきましたが、上記を実現するためには”コミュニティ”という要素がすごく重要だと気づきました。簡単に言うと、一歩踏み出すためには協力する仲間が必要だということ、そしてその仲間と協力していけるようにしていくためには、コミュニティが必要だということです。

行き着いた今の形は、同世代という切り口で、社会人1〜3年目のみを集め、多様性をベースに各業界から集まった20名限定の少人数制のコミュニティです。プロカメラマンもいれば、コンテストで優勝するようなプロのCGデザイナーがいたり、動画クリエイターや空間デザイナーもいる。ジャンルが全く違うからこそ、協力して何か一つのものを生み出す、ということをやっています。自分自身色々なコミュニティに入っていますが、客観的に見てもかなり成功していると個人的には思っています。

これからは各個人がオーナーシップをとってコミュニティを持つ時代だと思っています。そして、一人が5つとか6つの複数のコミュニティに属するようになる。僕自身も既に6つのコミュニティに属しています。

何を言っても叩かれてしまうようなオープンなインターネットに対して人が疲れてしまった結果、これからは閉ざされたクローズドなコミュニティがより一層注目されてくると思います。少し前の時代に戻るイメージですが、とはいえコミュニティ運営に関してはまだまだ成功例が出てきていない。MOA大学として、クローズドでかつ少人数でコミュニティを構築してきた実績を生かして、次は他のコミュニティにも横展開していけるくらいの、より本質的なコミュニティの解を突き詰めていきたいです。

あとはエンタメがやっぱり好きなので、エンタメの要素をもっと追求していくことも同時にしていきます。「学びを遊びに」をもっと浸透させていきたいです。

松尾さん
あと、京都とタイと中国でもやりたいって言ってる人いるからそこでもやろう。

今田さん
勝手にやっていいよ(笑)。

松尾さん
タイ展開しよう。グローバルに(笑)。

今田さん
というわけで、グローバル展開も今後進めていきます。

 

 

これからの時代

お二人の考える、こうあって欲しいという未来について教えてください

松尾さん
僕は違いがあるからこそ楽しいと思っていて、違いにふれて自分の中で発見があって、これが世界中に僕だけだったらそうはならない。僕はこれからも違いを楽しんでいきたいし、「違いが楽しい」って言う世界を作っていきたいです。
あと僕ドラコンボールの「元気玉」が好きなんですよ。今はそもそも元気玉を挙げる人が居ないから、「元気玉つくっていいんだよ」ってやって、元気玉を上げる人を作りたい。そしてその元気玉にエネルギーを分ける人を増やしたい。

 

今田さん
色々あるけど、「競争じゃなくて協力」かな。競争するから、負けたくなくて批判するとか、誰かが挑戦しても周りがやめろよとか批判をする。でもそうじゃなくてこれからは「協力」がもっと必要かなと。
先ほどのコミュニティの話に少し戻るのですが、一歩踏み出すとき、例えばメディア作りたいとか思っても、一人じゃ大変だけど、ライターがいて、カメラマンがいて、WEB環境作れる人がいたら「できるじゃん。やろう。」てなる。それぞれスキルのあるメンバーが集まって協力したらすぐにでも一歩踏み出せる。

トップランナーからの刺激とか学校では教えてくれないような本質的に役に立つ情報をインプットするのもそうだけど、仲間がいないと次の一歩を踏み出せない。順序としては、知識を吸収する、刺激をもらってやろうって気になる、そしてその次にはやっぱ「仲間」が必要になる。そこでいかに仲間と協力できる環境を作れるところでコミュニティがとにかく重要で、その中でみんなが協力する体制をいかに作れるか。

みんながで協力して、みんなで作り上げるようなコミュニティの体制ができたら、もっと未来は明るくなると思う。

 

これから挑戦するひとへ、一言お願いします。

松尾さん
美人とかイケメンとかの隣に座れる人ってどんな人だと思いますか?
僕が思うんは、その人に告白した人だけが隣に座れるんだと思います。これは世界を旅してもそうだった。僕がいいたいのは、「欲しいものがあるんだったら行動しないと手に入らない」ってことです。やりたいことがあるってめっちゃ素敵やと思うんです。そして素敵だから是非形にしてほしいです。それに今はスマホで20億人ぐらいつながってるんだから、その中で何か表明すれば誰かついてきてくれるんじゃないかなって。誰もいなかったらこの松尾慎太郎のところに来てください(笑)。少なくとも僕は話一回聞きます。

 

今田さん
これからの時代はどんどん個人の時代になるので、「やる」と真っ先に手を挙げた人に仲間がつくと思う。
というのも、これまでって挑戦する側は閉ざされた、クローズドなコミュニティ内部で他の仲間を見つけて「これ頼むよ」とかしかできなかったけど、今はクラウドワークスとかクラウドファインディングとかがあって、やりたいって言えば応援者がグローバル規模でめちゃめちゃ増える時代。
つまり、やってみれば仲間が増える時代になってるし、やってみた方が圧倒的に得られるリターンが大きい。僕自身もまだまだ何者でもないけど、「やる」と決めて実際にやってみたら仲間が増えた。やってみたほうが人生は楽しい。これに尽きると思います。

 

今田さん、松尾さん、ありがとうございました。

 

 

MOA大学では7/23に、豪華講師陣が複数名登壇する講義、”特別講義”第2弾を開催するそうです。

 

【登壇者】

・落合陽一 先生(メディアアーティスト/筑波大学 学長補佐)
・ダイノジ大谷伸彦 先生(お笑い芸人 / ロックDJ)
・エハラマサヒロ 先生(お笑い芸人)
・ジョーブログ 先生(カリスマYoutuber)などなど

 

興味のある方は是非リンク先を確認してみてください。

 

 

関連リンク

・MOA大学公式 Facebook

・MOA大学公式 Twitter

・「第1期生」一人一人を追いかけるMOA大学メディア

・第二回“特別講義” 詳細ページ

 

Author

  • Yosuke Minato

    通称しばふ。理由は髪質が芝生のようだから。髪はシャーペンを縦に2,3本刺しても倒れないぐらいの強度を持つ。 猫、紅茶、珈琲と未来を明るくするテクノロジーが好き。好きな雑誌はWIRED。 実はソフィア祭の実行委員でもある。

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投稿者: Yosuke Minato

通称しばふ。理由は髪質が芝生のようだから。髪はシャーペンを縦に2,3本刺しても倒れないぐらいの強度を持つ。 猫、紅茶、珈琲と未来を明るくするテクノロジーが好き。好きな雑誌はWIRED。 実はソフィア祭の実行委員でもある。
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