上南戦試合観戦レポート〜アイスホッケー編〜
我輩はYUTOOTAである。名前(ペンネーム)はまだない。こんな始まり方では先が思いやられるが暖かい目で見守りながら記事を読んでほしい。
この記事では、アイスホッケー部の試合観戦レポートを任されたもののスポーツとの縁が全くと言っていいほどない、そんな私が、取材の一部始終を綴ろうと思う。絶対に上南戦に行きたくなること間違いなし。記事を読み進める前に、まずはTwitterとFacebookでシェアしておいてほしい。そうすればこの記事を読んでいる間に、友達から誘いの連絡があるかもしれない。
ちょぴっと長いけど、最後まで読んでくださいねっ!!あっブラウザバックしないで、、、。
そもそも、上南戦ってなんやねん!
なんて思っている人は団結力が強くソフィアンプライドを持った上智生にはいないとは思うが、念のためにまずは「上南戦」とはなんなのかについて説明しておこう。上南戦というのは
カトリック大学として同じ教育理念を有する上智大学と南山大学が、体育会の団体を中心として対抗試合を行い、両校の交流を深めるスポーツ対抗戦
第60回上南戦公式サイトより
のこと。決して早慶戦のパクリではない。
ちゃんと毎年開かれているのだけれど、正直多くの上智生にとっては「体育会が内輪で盛り上がっているだけのイベント」くらいにしか思われていないのではないだろうか。会場も上智の外でやっていることが多く、二回に一回は愛知県にある南山大学で開かれることから、普通の上智生にとっては意識することの少ないイベントかもしれない。
実際は運動部、文化部問わず上智生なら誰でも楽しめる最高に熱いイベント
なのに、なんてもったいないのだろう、、、.
(実は各音楽サークルや模擬国連なども自分たちで上南戦を開催しているのだけれど、この話はまた別の記事で。実は文化部の方でも、バッチバチの熱い試合が繰り広げられている!
多くの上智生が疑問に思っている上南戦の「南」の部分は「南山大学」の略称だ。これをドヤ顔で友達に教えても、「どこだよそれ」で終わってしまうのが悲しいところではあるが、僕を含め名古屋文化圏の人間は全国区のネームバリューを持っていると信じているので、嘘でも知っていると答えておこう。
ちなみに、読み方は「みなみやま」じゃあなくて「なんざん」だ。これを間違えたらもう名古屋民からは口も聞いてもらえなくなってしまうぞ。テストに出るからちゃんと覚えておくべし!
あっちの大学は名古屋大学しか知らないとか言わないで、、、ってか「めいだいまえ」って「明治大学前の駅」だったんだね。僕は先週指摘されるまで、「名古屋大学の東京支局の前の駅」だと思っていたよ。
よし、これでもうみんな上南戦マスターだ。安心して続きを読んでほしい。
会場はどこ?
会場はダイドードリンコアリーナ。乗り慣れない西武新宿線に揺られながら、最寄りの東伏見駅に向かう。試合の一時間前に着く電車には、上智大学が誇るチア集団、EAGLESの姿も。ルールも知らないのに、本当に来てしまってよかったのだろうか。
「何も知らない」上智生が見に行っても本当に楽しいのか
という検証をするために、あえて空っぽの状態で来たのだが、今更になってやはり一抹の不安がよぎる。しかし、引き受けてしまったからにはもう乗り込むしかない。私は覚悟を決めて電車を降りた。
駅を降りると、あいにくの雨にも関わらず、それなりに多くの人が会場に向かって歩いて行く姿が見えた。まさかはるばる愛知から来た猛者はいないだろうが、愛校心のある数少ないソフィアンはやはり上南戦を応援しに来るのだろうか。これは観客へのインタビューも期待できそうだ。
会場の入り口がわからずに右往左往していると、上南戦委員の方が案内してくれた。なんて優しいのだろうか。アイスホッケー部特製の冊子もいただけたので中身を見てみるとものすごい凝りよう。表紙のかっこよさや中身の見易さはもちろん、裏表紙にアイスホッケーのルールがわかりやすく図解されているところに驚く。10分ほどかけてルールを把握。準備は万端だ!紙面の節々から、見にくる人の目線に立って、初めてアイスホッケーを見にくる人にも試合を楽しんでもらおうとする姿勢が伝わってきた。これはアリオーゾも負けてはいられない。
会場に乗り込む
アイスホッケーの会場は寒いと聞いて厚着をしてきた筆者。その判断は正解だったようだ。夏だからちょっとくらい涼しいのもいいだろうとタカをくくっていると痛い目を見るとだけは言っておこう。会場はなかなかに寒い。
着脱できて、かさばらない程度の厚着がベストだ!
((センター試験を思い出そう!
事前に行ったリサーチに拠れば、上智大学アイスホッケー部は、上南戦において昨年度までで8連勝している。そして今年、春大会においてはなんと優勝しているのだ!そんなノリに乗ったアイスホッケー部の皆さんに、試合前に意気込みを伺ってみると、主将の口から「この良い流れで、上南戦9連勝目を果たしたい」と熱い言葉をいただけた。
これまた私の事前リサーチに拠れば、この試合の注目ポイントは#19竹河内くんのプレイ。彼は先日の春大会で最優秀選手賞を取る最注目プレイヤーなのだ。春大会で上智大学の全9得点中6点を取った彼のプレイには、注目しておかなければ!
噂では、試合前や試合中の演出がプロ並みらしいけれど、本当なのだろうか、、、。
さあ、そろそろ試合が始まる。
試合開始!
まずはみんなで校歌斉唱。胸に秘めたソフィアン魂が揺さぶられる。校歌は正直覚えていないが、ガイドブックに歌詞が載っていたおかげで、皆と一体になって校歌を歌うことができた。なんの誇張もなく興奮するから、これを読む読者の上智生たちも、騙されたと思って上南戦に足を運んでみてほしい。国際派の多いソフィアンの中にはこういう足並み揃える系のイベントが苦手な人もいるかもしれない。でも、たまには「愛校心」的なものに身を任せてみるのも悪くはないのではないだろうか。
さあ、メンストで配布されている上南戦ガイドブックで、今すぐ予定をチェックしよう!
そして選手入場。ベンチから選手がぞろぞろ出てくるだけかと思いきや、流行りの音楽とド派手なライトアップの共に選手が一人一人入場。なるほど、本場の試合演出を意識しているという噂は本当だったようだ。あまりのかっこよさに、見ている方も興奮してくる!
さあいよいよ待ちに待った試合スタート。初めてみるアイスホッケーの試合は、ルールも直前に覚えたばかりの僕でも手に汗握ってしまうほど楽しめる、とてもエキサイティングなものだった。合間合間に応援団の方々の熱い応援合戦が繰り広げられ、吹奏楽隊の見事な演奏に合わせたEAGLESの踊りは選手だけでなく私たちのことまで元気付けてくれる。
アイスホッケー特有の壁を使ったパスやスケートをしながらの試合ならではのスピード感、ぶつかり合う選手たちの迫力に見入っているとあっという間に試合は進んでいき、気がつくと試合は上智大学の勝利とともに幕を閉じていた。
観客の方々に聞いてみた
試合も終わったことだし、観客の上智生にでも話を聞くか。そう意気込んでインタビューしたのは、ゴール裏の観客席に座っていた女子大生。
――今日はどうして上南戦へ?
「彼氏が試合に出ているので」
話を聞いてみると、上智生ではないとのこと。上智生ですら来ない上南戦に応援しにきてくれる。なんて健気な方なのだろう。
――それにしても会場、寒くないですか?
「そうですね、初めてきた時には、パーカーで来てしまって酷い目にあいました。それからは比較的厚着でくるようにしています。」
大事なことだから何度でも繰り返すが、
アイスホッケーを見に行く時には脱ぎ着ができる服装で行こう。
「上南戦実行委員」って??
他に取材できる人を探したが、見渡す限り父兄や選手たちばかり。上智生に話が聞きたいのに、びっくりするほどみつからない。ようやく見つけた上智生は男子三人組だった。ようやく見つけた上智生、じっくり話を聞かせてもらおうじゃないか。そう意気込んでした最初の質問。
――三人はどうして上南戦へ?
しばらくの沈黙が会場を覆う。
「僕たち、上南戦実行委員なんです」
なんということだろう。この広い会場でやっとこさ探した上智生は、まさかの上南戦実行委員だった。しかし声をかけたからには何か収穫を得なければ。一応深掘りしてみる。
――ソフィア祭実行委員会が新委員の募集を行っていたのは知っていましたが、上南戦実行委員の名前は聞いたことがありませんでした。いつ募集されていたんですか?
「僕たちは体育会に所属する部活から数人ずつ集められているんです。広報の役割として、アリオーゾさんからも何人か集められているんですよ。」
なるほど。サークルのような形ではなく、各体育会から精鋭が集められているらしい。上南戦の企画、運営、広報等、体育会の部活をこなす傍でたくさんの仕事をこなしているとてもかっこいい集団なのだ!多くの上智生が抱えていた謎を一つ解くことができた。
マネージャーの方に聞いてみた
観客をいくら探しても上智生は見つからない。次に私が狙いを定めたのは、氷上で戦う選手たちを影で支える、マネージャーだ。試合を終えた彼女たちに、話を聞いてみた。
――試合お疲れ様でした。そして快勝おめでとうございます!
「ありがとうございます!九連勝がかかった試合だったので、勝てて良かったです」
そう、何度も繰り返すが、上智大学アイスホッケー部はこれまで8回連続で南山大学に勝利している実力派。今回の試合は、記念すべき9連勝目だった。少人数でこれだけの記録を打ち立て続ける彼らを支えているのが、彼らマネージャーなのだ。早朝から始まる練習、少ないマネージャー数、尋常でないほどの苦労を彼女たちはしたことだろう。話を聞いてみると、興味深い話を聞くことができた。
――上南戦ならではの苦労などはありましたか?
「私たちのチームは試合相手の分析を重点的に行います。上南戦でも例外ではありません。南山大学は愛知県にある大学。リサーチには苦労しましたね。」
彼女たちの話を聞けば聞くほど、彼女たちの徹底した分析が、少ない人数のアイスホッケー部を勝利に導いているのだということがわかった。マネージャーの仕事は選手を支えることだけじゃない。彼女たちが行う徹底したリサーチは、戦いそのものだった。試合が始まる前から、彼女たちも戦っている。
彼女たちも、「選手」の一員なのだ。
――最後に、選手のことを一番近くで見てきたからこそわかる、アイスホッケー部の魅力を教えていただけますか?
「はい。私にとってのアイスホッケー部の魅力は、やはり部の雰囲気の良さです。今回の試合のとある先輩は、今日初めてゴールを決めました。チーム全体でその先輩にパスを回したんです。そんなところに、チームの仲の良さが出ていると思います」
こんなチームの暖かさを見せつけられたらもう言葉も出ない。なんて素敵なエピソードなのだろうか。アイスホッケー部がキツくて少人数でも「勝てる」理由、それがわかった気がした。こんな素敵なドラマがあったなんて。こんな背景を知って試合を見たらもっと試合を楽しめそうだ。次の上南戦では、そんな舞台裏を含んだ記事を書こうと心に誓った。こんなに面白い上南戦を見にこないなんて本当に勿体無い!
――最後に、上南戦に来ない上智生に一言、お願いできますか?
「ええっ(苦笑)うーん、上南戦は同級生や先輩の、普段は見られないかっこいい姿が見られるいい機会だと思います。来年はぜひいらしてくださいね。」
こんな無茶な質問にも頑張って答えてくれるマネージャーさん。最後に感謝を伝えてインタビューを終えることにした。
――無茶な質問をしてしまってすみません、貴重なお時間ありがとうございました!
MVP選手の方々に聞いてみた
防具をつけた選手たち。スケート靴を履いていることもあって、目の前に立つと自分とのサイズの差に驚く。気持ちふた回りほど大きい感じ。これが、アイスホッケーのダイナミックさの理由なのかも。
「アリオーゾを読んでくださっている皆さん、こんにちは!」
――まずは、勝利、そしてMVPおめでとうございます、お疲れ様でした!」
「ありがとうございます!」
――今回の試合は9連勝がかかった大事な試合だったとのことですが、試合を終えていかがですか。
「勝てたは勝てたのですが、厳しい試合でしたね。大学から始めた未経験者の仲間にもパスを回して点を取ってもらったりするなど、勝つこと以外にもチームとして一体になることを意識したプレイができたと思います。ただ攻める一方で守りの意識ってのも持っておかないと次からの試合では当てないなと思いました。」
なるほど、チーム全体でプレイしていたことが伝わってくる内容だ。次に質問したのはもちろんオープニングセレモニーのこと。試合に出向く前から、噂を耳にしていた。あまりに各方面から同じ噂を聞くので、試合を見る前は疑ってしまっていた。あの素晴らしいオープニングセレモニーの演出を彼らはどのように企画したのだろうか?
――試合が始まる前のオープニングセレモニー、圧巻でしたね。これは選手の皆さん達で企画されたんですか?
「はい。以前他大学との交流戦をした際に照明や音響を使った演出がされているのを見て、こうした演出を盛り込めば上南戦をもっと盛り上げることができるのではないかと思い、部活の上南戦委員で専門の会社に交渉するなどしてなんとか実現できました。」
なんということだろう。彼らはたくさんの人にとって上南戦が訪れやすいものになるように、自分たちで上南戦委員を作って業者と交渉、演出案を企画していたのだ。これがアイスホッケー部のプロ並みの演出の秘訣だった。
――これからの意気込みなどあれば教えていただけますか?
「そうですね、これからオフ期間にはいるのですが、8月の上旬から合宿が始まるので、そこから上げていこうと思っています。」
――上南戦というのは他の試合と比べても特別な位置付けの試合だと思います。何か特別な対策や取り組みなどはしたのでしょうか。
「そうですね。毎年戦うということもあり、南山大学さんのことは常に意識しています。上南戦で特別に意識したのは、先ほども触れましたがやはり演出ですね。
普段アイスホッケーを見ない上智生にも見にきていただきたい
ということもあって、光を使った演出をしたり、流行りの音楽を流したりと演出には力を入れました。他にも、今まで先輩方が自分たちにやってくださったことを自分も後輩にしてあげたいという思いで、最優秀選手の発表などで頑張った選手を称える機会を作ったりしたりという工夫もしましたね。」
――なるほど、見る側が面白いだけでなくて、プレイする選手に取っても特別な体験になるような工夫がされていたんですね。
「はい。本場のNHLに少しでも近づけたらいいなという思い出頑張りましたね。」
時間的にも次の質問でもう最後。どうしようか考えた挙句、好奇心を爆発させてしまった。あの選手たちが使う棒、あれを持たせてもらいたい!
そして最後に、アレを持たせてもらう
――貴重なお時間をありがとうございました!最後にお願いがあるのですが、皆さんが試合中に使われていたそのスティック、持たせていただいてもよろしいですか?
「もちろんです!」
でっでかい!!
しかしなんということだろう、スティックは意外と軽かった。僕の身長(177cm)よりも大きいサイズなのに、コンビニで売っている持ち運び傘よりも軽いくらい。みているだけではわからなかった衝撃の事実だった。だってあれだけ大きな見た目なら、もっと重いと思うじゃないですか!皆さんも機会があったら是非、持たせてもらってみるべしべし。
意外と楽しい上南戦
スポーツ観戦の経験があまりない筆者は、「ひと試合をフルで見る」ということに根拠のない恐怖を持っていた。二時間三時間も他の誰かが走り回っているのをただただみ続けることの何が楽しいのだと、本気で思っていたのだ。しかし実際に上南戦を訪れてみると、そんなことはなかった。そのスポーツに詳しくない人でも見に来るだけで楽しめる。そのための演出が上南戦には散りばめられていたのだ。
みんなも来ようよ上南戦!
「スポーツなんて興味ないし」「ルール知らないし」「観戦とか疲れるし」「愛校心とか寒すぎ」そんな上智生こそ、これを機に一度上南戦を訪れてみてはいかがだろうか。今年で上南戦はなんと60周年。演出にもいつも以上に力を入れている。思い切って出かけてみれば、早めの夏の思い出になること間違いなし!
まあ、行ってみればわかる。
「ルールも知らないスポーツなんか見たってな」
そんなことを思っていた僕の背中を蹴飛ばしてやりたいくらい、上南戦はエキサイティングだった。スポーツ観戦は苦手?知らない競技だから?そんなあなたにこそ、騙されたと思って上南戦に足を運んでみてもらいたい。そこにはただのスポーツ観戦とは違う、上南戦だからこそ感じられる興奮がある。
いつも一緒にふざけている同級生やお茶目な先輩が見せるいつもと違う顔。OBやOGも一緒に、
学年や性別の垣根を超えて、「ソフィアン」として繋がれる場所、
それが、上南戦。
力んで行く必要はない。ルールも知らない、知り合いもいない、そのくらいの方が逆にいいのかもしれない。暇つぶしがてら、仲の良い友達でも誘ってぷらっと行ってみよう。同じようにそのスポーツには興味すらないような友達だと尚いい(下手に詳しい友達と行って、専門知識をまくし立てられても疲れるだろう)。
そしてこの記事を読んで上南戦に足を運んでくださったならば、その感想を是非シェアして頂きたい。実は上南戦は例年演出や広報に力を入れているにも関わらず、深刻な観客不足に陥っている。みんなで上南戦を盛り上げていこうじゃないか。
今こそしよう、上南戦デビュー!
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