上智大学のキャンパスを歩いていると、外国から来た留学生をたくさん見かけます。
キャンパスに入ると最初に聞こえてくるのが日本語ではない言語、ということも私たちにとっては日常茶飯事。
私と同じくずっと日本に住んでいて、日本の小中高に通っていた学生は、そういう面で日常的に上智大学のグローバル性や多国籍な環境を目の当たりにしてはいますが、、、
果たして本当に、留学生との活発な交流やコミュニケーションはなされているのでしょうか?
授業やサークルなどで一緒にならない限り、留学生と関わる機会はほぼないのが現実です……
せっかくこんなに小さなキャンパスに、世界各国からたくさんの学生が集まってきてるのに、友達にならないなんてもったいない!
でも、どうすれば私たちはもっとお互いに近づけるのだろうか……
何かきっかけが欲しい……
そんな思いを少なからず持っていた留学生と日本人学生のために、10月18日(木)の昼休み、9号館アクティブ・コモンズで開催されたのが「Hello! 国際交流」です!
イベントでは、来場者のニーズに合わせて、このようにテーブルが分けられていました。
写真左側のピンクの三角で囲まれているエリアが、「日本語カフェ」のテーブル。
ここでは留学生と日本人学生が日本語での会話を楽しんでいました。
イベント自体は12時40分から開始予定でしたが、昼休み開始直後から会場前には列が!!
あらかじめ用意されていた席はあっという間に埋まってしまいました。
私は日本語カフェのテーブルに座っていた、3人の留学生
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日本人の母を持ち、ハワイから来たハナさん(女性)
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アイルランドから来たサーシャさん(男性)
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エクアドル出身だが、サーシャさんと同じアイルランドの大学に通うアレットゥーロさん(男性)
と、お話をすることができました
ハナさんは、日本語の読み書きの力をつけるために、上智大学にやってきました。ハワイと日本の間では、多くのビジネスが行われているため、ハナさんも日本に関連したビジネスチャンスを掴むことが夢だそうです。
日本で生活していく上で、正確さを重んじる文化に対応できるかが不安だと語っていました。
でも(私とは違って)まだ電車やバスに乗り遅れたことはないそうです!
ロンドンで特急電車と高速バスに乗り遅れた私なんかよりよっぽど時間に正確なハナさんなら日本はおろかどこに行っても大丈夫!!
(ちなみにロンドンでの話をしたら一同苦笑いでした)
そんなハナさんですが、あまり迷惑になるようなことはしたくないから、困ったときも日本人学生に話しかけるのを躊躇ってしまうかもしれない……と言っていました。
次に、アイルランドから来たサーシャさん。
サーシャさんは日本の和食と漫画が好きなアイルランド出身の男性の学生。
将来は日本語教師になりたいのだそう。
そんな彼は、日本に留学している間、ホームシックになることを不安視しているようです。
上智大学とサーシャさんが籍を置くアイルランドの大学とでは、カリキュラムの進み方や一日のスケジュールがもちろん違います。そういった理由から、上智大学での勉強の進め方について今は悩んでいる模様……
しかし、そんなことはものともしない様子で、すぐに慣れると思うと語っていた彼!
きっとこのポジティブな姿勢で、ホームシックも乗り越えられると思います。
最後に、サーシャさんと同じアイルランドの大学に籍を置くアレットゥーロさんのお話です。
アレットゥーロさんはエクアドル人の学生ですが、現在はアイルランドの大学に籍を置いています。
アイルランドの大学で、留学が義務付けられているため、元来興味のあった日本語を勉強することに決めたそうです。
彼もサーシャさんと同様、ホームシックに陥ることを不安視しています。が、道に迷った時など困ったときは積極的に日本人に話しかけているそうで、持ち前の社交性で今にも日本人の友達ができそうですね。
日本人学生の友達がたくさん欲しいと語っていました。
次に私が向かったのは、上のフロアガイドで水色の三角で囲まれている「Lunch Time Salon」のテーブル。
そこでは様々な国からきた留学生と日本人学生が、日本語や英語、はたまたそれとは別の言語でコミュニケーションを楽しんでいました。
その頃、会場は大盛況で、もはやフロアガイドの区切りを越えて参加者は思い思いに交流をしていました。
日本語カフェの3人の留学生に加え、Lunch Time Salonのテーブルでコミュニケーションを楽しんでいた、現在外国語学部英語学科に通う2年生のとある日本人学生からお話を伺うことができました。
「上智大学公式LINE@」にてイベントのことを知り参加したこの学生さん。彼女は国際交流系サークルに属していた経験もあるそうです。
そんな彼女から、留学生と交流してみたいもののなかなか一歩を踏み出せないソフィアンのために『メッセージ』をいただきました。
「日本人学生は外国語でうまく話せないことを不安に思っているけれど、それは留学生も同じで、彼らも日本語でうまく話せるかどうか不安に思っています。自分が留学生とどう交流できるかは実際に話してみないとわかりません。なので、こういった機会があればとりあえず行ってみるのがいいと思います。機会を逃すことが一番もったいないです」
確かに、今まであまり関わる機会のなかった外国人とどう接すればいいか分からず、参加を躊躇ってしまうこともありますよね。でも、不安なのはお互い様なんですね。留学生もわれわれ日本人学生も、「とりあえず」「何気なく」行ってみよう。行ってみて初めて分かることもきっとあるはずです。
最初はうまくいかなくても、行ってみる回数を重ねることで、自分なりのコミュニケーション方法が見つかるかもしれません。
最後に、この「Hello! 国際交流」企画を主催した、グローバル教育センターのYさんにお話を伺うことができました。
「Hello! 国際交流」は、留学生支援ネットワーク内にあった「どうすれば留学生が快適なキャンパスライフを送ることができるか」という問題意識がきっかけで企画されたもので、「留学生支援の可視化」と「留学生支援の効率化」を目指した結果、イベントにてお披露目されたリストバンドという形になりました。
このリストバンドは、留学生のサポーターになることの証であり、ちょっとした困りごとのある留学生が気軽に話しかけられるという効果が期待されています。
上記のインタビューでハナさんは、日本人学生に話しかけることを躊躇ってしまうと語っていましたが、ハナさんのような留学生にとっては強い味方になるでしょう。
しかし、いざ助けを求められても、自分ではどうにでもできないという場面に出会うこともあるかもしれません。
その時は、助けの内容に応じて学事などの大学機関に留学生をつなぐという方法を取って欲しいと、Yさんは言いました。こうすることで、留学生はまた同じことで困ったときに、どこに助けを求めればいいのか把握できるからです。
実は、イベントにはもう一つの目的がありました。
それは留学生支援ネットワークと上智大学ピア・カフェが協力して作り上げた「ミニ国際交流」の場=留学生が気軽に集まれる環境としての機能です。
そしてYさんはこのイベントが、「上智大学Global-Network(通称GLN)」が主催するランチタイムサロンなどの企画により多くの学生が参加するきっかけ、そして留学生と日本人学生がお互いに心を開くきっかけになれば、と語っていました。
「Hello! 国際交流」は、予想以上の大盛況。
「こんなにたくさんの日本人学生と留学生が集まってくれたこと、そして思った以上に多くの日本人学生が、留学生支援に積極的であることがとても嬉しいです。
留学生も日本人と交流したい気持ちを持ち、かつ日本人学生も留学生と交流したい気持ちを持っています。だからこそ、お互い積極的に声をかけて、仲良くなれたらそれはもうとても喜ばしいことです」
とYさんは喜んでいる様子でした。
今後はSSICと連携した国際交流イベントも考え中だそうで、どんな情報が発表されるのかとても楽しみですね。
私も貰ったリストバンドを早速着けてみました。
留学生がどんな悩みをよく抱え、どんな困難によく出会うのかを理解することで、留学生にとってより快適な大学生活を提供するために私たち日本人学生にできることは何なのか。
このリストバンドはそういったことを考えるきっかけになったのではないでしょうか。
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