ごきげんよう、3年の秋学期になってようやく全休ができた🐴馬刺し🐴です。
突然ですが皆さんは「史学科」と聞いてどんなことを思い浮かべますか?
歴史オタクの集まり、図書館の引き篭もり、他の学科と比べて地味、歴史やって楽しいの?……
「まあそう思われても仕方ないな」って感じですが、最後のやつは史学科の逆鱗に触れ兼ねません。
そんなトラブルを避けるためにも、史学科の明るいイメージを持てるよう、他学科とは色が違うゼミ旅行を紹介します!上智大生のみならず、上智の史学科が気になっている受験生の方も参考にしてみてください(参考になるとは言ってない)
P.S. 史学科の私がぼっちで城郭を巡った際の記事もあります。興味のある方はコチラから。誰も興味ないよなんて言わないで😭
そもそもゼミ旅行とは
まず、大学に入って学年が上がると「ゼミ」というものに所属して、より専門性の高い内容を少人数で学ぶようになります。
他学科では3年生から、ということが多いのですが、史学科では2年生から「プレゼミ」という形でゼミが始まります。
つまり!史学科では早い段階から濃ゆい勉強が出来ると共に、早い段階でゼミのメンバーと仲良くなれます。この時点で史学科の特徴、メリットが分かってきましたね!ね!?
そして、そのゼミのメンバーや先生と「ゼミ旅行」を行います!このゼミ旅行、もちろん遊びではなく勉強をするために大学を飛び出すものです。決して遊びがメインなわけではありません。
そのため、他学科のゼミ旅行は
・合宿所の会議室でひたすら研究報告をしあう
・その地域の企業訪問
と、いう感じであんまり”旅行”感がありません。そのため「ゼミ合宿」と呼ばれることもあります。
じゃあ史学科のゼミ旅行は?
皆さん、ゼミ旅行の目的を思い出してください。そう「勉強」です。そして史学科が学ぶことと言えば何でしょう?「歴史学」ですね。じゃあその「歴史学」を学ぶにはどこへ行くでしょうか?答えはもちろん……
歴史のある観光地
に決まってるでしょう!そうなんです、史学科のゼミ旅行は本当に観光地になってるような場所ばかり訪れます。しかも歴史学の専門家である教授と、歴史好きな友達と一緒に。これは楽しいに決まってますね🙌
史学科のゼミ旅行が他学科とは違うことが分かったでしょうか?
9月某日 ゼミ旅行開始
では、2023年夏のゼミ旅行についての紹介です。史学科の雰囲気を少しでも味わっていただければ幸いです。
今回私のゼミでは小谷城〜一乗谷〜平泉寺と湖北から福井にかけての中世遺構をめぐる日程になっています。
まずは朝11時に米原駅に集合し、唯一米原駅周辺で11時からやっているラーメン屋さんでお昼を食べます。
戦国好きにはたまらない、小谷城
北陸本線に乗って、浅井長政・お市夫妻のいた小谷城へ向かいます。小谷城の最寄り駅である河毛駅で自転車を借りて漕ぐこと10分ちょいで小谷城の麓に到着です。ここから小谷城への登山が始まります。
熊鈴を鳴らしながら元気よく登りたい!ところですが流石は史学科、すぐ疲れます。しかし歴史への情熱を燃やして登っていきます。史学科は根性があります!多分。
そして城郭の跡が多く見られる場所まで登ってきました。ここで一同はとあるものに大興奮です。何でしょうか?
そう石垣です。石垣の前で10分は写真撮ってましたね。山頂の景色とかそっちのけで。
中世の石垣は近世城郭と違って石をあまり加工しないので、ごつごつしてて好きです😍
さてさて、石垣のある山王丸と呼ばれる曲輪などを抜けて更に歩みを進めます。目指すは大嶽(おおづく)という曲輪(城)です。ここは山王丸から尾根伝いに歩いていける場所で、向かいの山頂にある山王丸より少し古い城になります。
しかしね、この大嶽までの道がSASUKE並みに過酷でした。ロープ使って降りる道などもあり、ヘロヘロの史学科たちは絶望していました。そして中間地点の「六坊(おそらく寺院跡)」という場所に来て、私の口から名言が生まれました。
遠くからでも大嶽を写真に収めれば行ったことになるのでは
素晴らしい!革命!これはノーベル賞!アカデミー賞!今年の流行語大賞にしたい!
と、いうことで史学科は無事大嶽へ行くことができました。証拠の写真です。多分真ん中あたりに大嶽があります。詳しくは聞かないでください()
その後は六坊から分岐する武家屋敷跡が残るルートを通って下山しました。このルートも見どころいっぱいで楽しかったです。
福井駅前の居酒屋にて
命からがら福井の宿にやってきた史学科。少し休憩して翌日訪れる一乗谷に関する事前学習の発表を兼ねた食事会をします。
少し酔った状態で発表するので、普段のゼミの授業ほどの緊張感もなく、和気藹々と雑談しながら発表をします。これが楽しい。歴史について詳しい、興味がある人しかいないので話が盛り上がります。
そして盛り上がると史学科特有の言い間違いが素で発生します。今回のMVP言い間違いはこちら、
「かわらけ(唐揚げ)来たよ〜」
です。すごく面白かったです。”唐揚げ”を”かわらけ”って笑笑笑
ちなみにこの「かわらけ」とは中世以降に作られた素焼きの土器で、よく遺跡から大量に発掘されるやつです。これは史学科以外わからないですよね。母親にこの話をしてもポカンとされました。でも分かる人には刺さると思います。絶対に。
ちなみに四ツ谷でご飯を食べた際には「南北朝線で帰ります。」という名言が出ました。どんだけ歴史に脳みそ圧迫されてるんでしょうか……
福井一熱いスポット、一乗谷
2日目は一乗谷へ向かいます。この一乗谷は最近博物館が新しくオープンした史学科的に福井で一番熱いスポットです。綺麗だし展示も面白くて最高でした。
ちなみにこの博物館へ向かう電車の中で、他大学の史学科ではない学科のゼミの方たちに会い、少しお話しをしました。聞くところによると今日帰ってしまうので、最後の思い出にと観光で来たそうです。いいセンスしてますね!一乗谷楽しんでください☺️(唐突な上から目線)
いざ博物館内!
まず、館内には発掘された川港または橋と考えられる遺構が室内に保存されています。これがすごく珍しいんです。本来外にあったものを雨風が一切ない室内で保管し展示することはかなり大変らしく、それだけでも見る価値がありますね。
次に2階にある展示室へ向かいます。ここでは朝倉館を実物大で再現したスペースや、一乗谷の街並みのジオラマなどがあります。
やばい、楽しすぎる。事前学習での知識もあったので、学んだことと照らし合わせながら展示を楽しみます。
さらに史学科たちは、春学期に古文書を読解する授業をとっていたので、展示されている古文書の読解に取り組み始めます。皆さんは博物館で古文書を見てもこのようなことはしないでしょう。しかし史学科は古文書を見ると本能的に読解しようとします。もう入館料の3倍くらいは楽しんでますね。先述した他大学のゼミの方々は20分程度しか展示室にいらっしゃらなかったのですが、我々は2時間近くいました。普通は20分なのでしょうか。感覚が麻痺しています。
博物館でお昼を食べて、自転車を借りて実際の遺跡群を見に行きます。そしていきなり目の前にカモシカが現れました。ガチ野生のカモシカです。一乗谷は中世では都のように栄えた大規模な町があったのですが、今では田んぼや山が広がるのどかな地域です。だからこそ野生動物がたくさんいます。前日には一乗谷城山頂付近でスズメバチ被害が出たそうです。そのため山に登ることは禁止されていました。(まあ昨日の小谷城のことがあるから山には登るつもりはなかったのですが)
まずは町屋や寺院などがあった赤淵地区などを見ます。井戸の跡や大甕の跡がよくわかるようになっています。たしかこの写真は医者の家でしたっけ(間違ってたらすみません)医学の本の切れ端が発掘されたそうです。
そしてお次は朝倉館跡です。でっけえですわね。足利将軍が来たり、能が演じられたりとほぼ京都みたいなことをやっていたそうです。これだけ大きければ栄えて納得ですね。
そして一乗谷には町屋や武家屋敷を再現した場所があります。こちらでも史学科たちは説明板の写真を一枚も残さずに撮って、この家の井戸はあーでもねえ、この家はトイレの位置がこーでもねえ、と観光客とは異質な内容の話をしながら楽しんできました。
2日目のご飯
同じく2日目も福井駅前でご飯&事前学習報告会です。卵焼きが美味でした。もちろん日本海の魚は言うまでもく。へしこも最高でした。この日は「小エビのかわらけ(唐揚げ)」を食べました。
一乗谷を凌ぐ中世の街、平泉寺
最終日である3日目は、勝山市にある平泉寺へ。勝山駅から10人乗りの小さなバスで平泉寺へ向かいます。
この平泉寺、苔が有名で映えるスポットでもあります。しかし、それ以上に史学科が興奮するのは……
この石畳です!なんとこの平泉寺には200ヘクタールもの広大な街が存在していたそうです。そして今ではその内のわずか1%の2ヘクタールが発掘されて、一部の壁などが再現されています。先日行った一乗谷以外にも、福井には中世の巨大な街の遺跡があるんです。面白すぎる!熱すぎる!勝山市は恐竜博物館ばかり宣伝したりバスを運行したりしないで、もっと平泉寺もアピールしてバスの本数も増やしてくれ!
ちなみに、一乗谷の道は砂利を敷いたものですが、平泉寺は石畳です。この違いって何ですかね。史学科はこんな些細なこと(歴史学的には些細ではない)も気になります🧐
さらに、平泉寺の街にはこの写真のようにお堀も存在します。お寺なのにお堀!?と思うかもしれませんが、中世のお寺を思い浮かべてみてください。石山本願寺、比叡山、東大寺……そう、中世の寺院って戦うんですよね。そう考えるとお堀があることも納得がいくし、平泉寺はある種の城郭、とも言えますね!
迫力満点、永平寺
ゼミ旅行最後の訪問先、永平寺に到着です。だいたい福井観光といったら一乗谷、恐竜博物館、永平寺って感じですかね。そんな有名な永平寺にやってきた史学科たち、先ほどの平泉寺でも地味に結構歩いてヘトヘト+時間があんまりない、ということで史学科モードを捨ててただの観光客モードで楽しむことにしました。なのでこの先はただの大学生の感想です。え?史学科関係あるかって?史学科が書いてる記事だからいいんだYO!(暴論)
こちらは永平寺の天井に描かれた絵です。きれいで繊細ですね。そしてこの永平寺、観光客がたくさんいたので映り込みがない写真があまりないことと、お坊さんや一部の部屋は撮影禁止のため、あんまり写真がありません。ごめんちゃい。
そして永平寺で一番思ったことは……
お坊さん多っ‼︎‼︎
これまでの人生で見てきたお坊さんの数を余裕で超えてくるレベルでお坊さんがたくさんいらっしゃいました。まず大きな講堂なような場所に何百人ものお坊さんが揃っており、それ以外にも廊下でたくさんのお坊さんとすれ違いました。中には同じ年代のお坊さんも沢山いらっしゃり、「大金が欲しい」「12時間寝たい」と常日頃考えている煩悩まみれの私とは大違いで尊敬しました。
ゼミ旅行終了
さあ、こんな感じで史学科のゼミ旅行は終わりました。
みなさんの史学科へのイメージは変わりましたでしょうか。え?「結局歴史オタク」じゃん!だって?そうですよ、歴史オタクの集まりですよ。でもね、歴史を知ることでただの観光がこんなにも濃くて面白くなるんですよ。「かわらけ」という単語一つでこれだけ盛り上がれるんです。すごくない史学科?趣味・専門が合う仲間との旅行、楽しそうでしょ?史学科って歴史に明るければ、陽キャみたいにこんなに充実した旅行を出来るんです。この記事を読んで少しでも史学科っていいな、と思ってもらえれば幸いです。
そして、もしこの記事を読んだ上智志望の高校生がいたらぜひ史学科考えてみてね!そして、上智の史学科紹介HPや史学科HPを覗いてみてください。史学科HPでは直接史学科の教員などに質問できるのでオススメです。
さらに気になる人は今年のオープンキャンパスHPから史学科の体験授業動画を観てみるといいでしょう。ちなみにこの授業動画は私のゼミの先生が担当されています!あの有名な戦国大名真田氏に関する貴重な史料に関する授業が観れますよ!これは見るしかない!史学科のこと宣伝しすぎましたかね……。まあそれだけ史学科への愛が強いってことで許してください😆
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