クレーンゲームとは
人間をおびき寄せその財を喰らい尽くす、罠。
初めまして、国文学科1年のロールプレイング高橋です。
突然ですが皆さん、クレーンゲームは好きですか?好きですよね?私は好きです。
やったら楽しい、取れたら嬉しい。快楽づくしのクレーンゲームですが、欠点が一つ。
現金がある限り取れるまで無限にやっちゃう。
クレーンゲームを前にした人間は正常な判断力を失い、気づいたときには破産寸前……。
え?そんなアホはお前だけだって? ちょっと(笑)なに強がってんすか(笑)。
とにかく、クレーンゲームは危険です。それを今ここで、実証します。
題して!
ゲーセン1000円チャレンジ!!!
ルールはいたってシンプル。1000円以内になにか景品をゲットする、そして1000円使い切る。ただそれだけです。
闘いの舞台はタイトーステーション池袋西口店。先輩とともに、いざ出陣の時です。
行くぞ!!!!
私が狙いを定めたのは、ゾウのぬいぐるみ。中身がミチミチに詰まっています。獲るぞ~~~!!!
100円目~
高橋「こういうの、意外とイケるんすよw」
この数日前に1000円で3つのぬいぐるみを獲ることに成功している高橋、意気揚々とゲームを開始します。
高橋「まあ最初はね?最初はこんなもんよ???」
500円目~
高橋「おっとぉ……逆さになっちゃった、これはまずいな」
900円目~
高橋「ちょ待っ……えっ???」
あっちゅー間に1000円を使い切り、ものの見事に惨敗しました。嘘だと言ってくれ。
綿がミチミチに詰まったゾウは、クレーンが持ち上げて出口まで運ぶにはあまりにも重く、途中で落ちてしまうのです。無念……。
……おや?高橋の様子がおかしいぞ???
高橋「いや……まだ500円あるから……」
あれほど大々的に「1000円チャレンジ」などと銘打っておきながらこの体たらく。皆さん、これが煩悩というものです。今日はこれだけでも覚えて帰ってください。
1100円目~1500円目
デジャヴ???
高橋「1000円崩してきます!!!」
1600円目~
高橋「もうダメだ……」
最初の威勢は何だったのでしょうか。
完全にルールを犯し、トータル2500円をつぎ込んでゾウを元の位置に戻しただけでした。立つ鳥跡を濁さず、という点ではある意味美徳ともいえる結果かもしれません。んなわけねーだろ。
先輩「なんか見てたら大きいやつ狙うの怖くなっちゃった~」
ということで、小さいぬいぐるみが取れる台をチョイス。
100円目~
先輩「アッだめだこれ!」
なんとここですっぱり諦め、別の台へ。一つの台に固執せず100円ずつ試し、取れる台を探す戦法です。さすが先輩、頭がいい。
すると400円目にして……
先輩「取れた!」
ここで本日初の収穫『広告の品』です!さす輩!!!(「さすが先輩」の略)
しかしこれは1000円チャレンジ。なんとしても残りの600円で『広告の品』以外の戦利品を手に入れなければなりません。先輩は次の台でもこのいい流れを維持できるのか!?
500円目~
全部ダメでした。小さいやつだとアームが弱すぎて取れないのです。
その後先輩は1000円を超え、食料品(カップ麺やお菓子など)が取れるやつにまで手を出しましたが、「これ以上は生活費がヤバい」と言い残し、あえなく撃沈。1600円でフィニッシュです。
しかし、ここである問題が浮上します。
高橋「『広告の品』だけで終われますかね……。記事の字数的に厳しくないですか?」
先輩「うーん……しょうがない、ちょっと他の人にも連絡とってみるね」
ということで、犠牲者を増やすべく別の先輩に連絡。
サクッと断られました。道連れチャレンジ、失敗。
私は一万円を予備として持ってきてはいましたが、これは親の金(というか全部親の金)。コレを崩してしまえば、使い切らなかったとしてもお叱りを食らってしまいます。既に手遅れかもしれませんが。
このまま『広告の品』だけで終わっていいのか……?
ここで終わるなんて、完全に日和ってないか…………?
そう悩む私の頭の中に、ある偉人の名言が浮かんできました。
現金死すともSuicaは死せず
──── 金耗 無伊之介
こんな偉人も名言も存在しませんが、不肖高橋、この言葉を胸にもう一度立ち上がります!!!
最後に狙うのは、この台。
誕生月のイメージカラーの熊です。手前の紫色、2月の熊を狙います。ちなみに、私の誕生日は12月、先輩の誕生日は4月です。
2600円目~
2700円目
高橋「エッ!?おっおっおっ」
先輩「えっマジか!?」
なんとここで、本日二度目にして最大の収穫です! ヤッターーーー!
今この瞬間、長い、長い闘いが終わりを告げました!
2700円目、ついに大勝利、大団円です!!!
高橋「今日からお前の名前は『交通費』だ!よろしくな、交通費ちゃん!!!」
これにはバカもノリノリで名前をつける始末。
正直全く取れると思ってなかったので、嬉しさよりも驚きの方が大きいです。既にゾウで2500円が爆散しているとはいえ、まさか熊がたった200円で取れるとは。
うん……。200円で、ねえ……。
なんで……なんで最初からこの台にしなかったんでしょうね……。1000円チャレンジなのに2700円も失って……何があった……?どうしてこんなことに……???
我に返った私は、熊と虚しさだけを抱えて帰路につくことになりましたとさ。
いかがでしたか。クレーンゲームの危険性、わかっていただけたでしょうか。みなさんも、ゲームセンターに行く際にはくれぐれもお気をつけください。人の煩悩を利用した悪魔の装置、クレーンゲームに……。
【余談】
先輩「交通費ちゃん、大事にしてね!二人合わせて4300円の価値あるから」
高橋「はい、もちろんです!!!」
という会話があったにもかかわらず、熊はその日の内に母の一存により3歳の従妹に贈呈されました。
母「だってああいうの、あんたの趣味じゃないでしょ?」
どうやら、私の母には人の心がないようです。自分がこの遺伝子を継いでいると思うと恐ろしくて堪りません。いつか私もこうなってしまうのでしょうか。
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