ツール・ド・サイタマ ~自転車で埼玉一周してみた~

はじめまして。ゆきです。初投稿なので、一行で自己紹介します。

仏文科!埼玉!自転車!

すれ違う人がみんなお金持ちに見える上智大学において、汗臭い貧困記事を投稿していきます。よろしくお願いします。

さて、私は秩父に生まれ、18年間をこの武蔵野の地で過ごしてきました。

 埼玉県民ってサムーい「ダさいたま」ネタをガンガン飛ばしますけど、なんだかんだで埼玉のこと好きなんですよ。私もその一人です。

そして私、自転車も好きなんです。

私、考えたんです。

埼玉愛と自転車があれば、埼玉一周できるんじゃね?

というわけで、行ってきました!

総距離大体240km。上智大学から静岡県浜松市の手前までくらいの距離です。短くない?
時速20kmで走ったら12時間くらいで着いちゃうじゃん!チョロっ!

……と、ナメてかかった埼玉一周旅行。この旅行は「修行」へと変貌しました。

今回のルートです。雨が降っていたので神流湖には行けませんでした。

上記の地図を見れば分かる通り、完璧な埼玉一周ではありません。でもまぁ、それに準してるからいいかなって。
 というわけで、やっていきましょうかね!

※私はそれなりに特殊な訓練を受けています。鍛えてないと多分秩父の山奥でくたばるので、私の後追いをしたいという方(いないと思うけど)は覚悟しましょう。

①新座~西武ドーム~飯能 33km

旅の始まりは埼玉県最南端・新座市の市役所から。金曜三限を終えてすぐに家を飛び出し、記録用に一枚。

持ち物を紹介しておきましょう。

チャリと、パンク修理キットと、レインコート、替えの靴と服、3500円、マスク。以上。

そんな装備で大丈夫か?  ダメでした

 服装なんですが、私は「ガチ」の自転車乗りが着るような全身タイツみたいな服は持ってない(サイクルパンツは持ってます)ので、上はGUのTシャツ、下はサイクルパンツの上にジーパン履いてました。

なんとなく雨が降ってきたけど、ナビに従って自転車を漕ぎ、

難なく西武ドームに到着。
今はメットライフドームっていうクソダサい名前に変わっちゃいましたけど。もうPayPayドームを笑えない。

 このあたりは茶畑が有名で、狭山茶が採れるんです。住宅地に茶畑が鎮座…という不思議な光景を垣間見ることができます。

そろそろ茶摘みの時期でしょうか。

入間市を越えて、

 18:00 飯能へ到着。

ここまでの距離は33km。余裕です、正直。

 飯能は秩父の入り口で西武グループの植民地です。あとムーミンパークがあります。以前一人でムーミンパーク行ったら家族連れとカップルしかいなくて生きる意味を考えました。

あれ、埼玉一周、チョロくね?なんか一日で着いちゃいそうじゃね?

 飯能って秩父の入り口だからここで物資調達しようと思ったけど、体力的に余裕だから先を急いじゃおう!俺TUEEEE!

② 死  飯能~秩父~本庄 79.3km

飯能を抜けると大きな建物は姿を消し、いよいよ山道らしくなってきました。

 まだまだ坂とは程遠い、ゆったりとした道。車通りも殆どないので、自然とスピードが出ます。平均して時速30kmは出ていたと思います。

雨も止み、雲は山間を縫うように漂っています。道をゆけばゆくほど、その雲に手が届きそうで、私はどんどん自転車を漕ぐ足を早めます。

関東平野の終わりが見えてきました。

 

 飯能から先は関東山地。私を秩父へいざなっているのか、はたまた警告しているのか、道路の標高が雨上がりの霧にどんどん近づいていき、夕日と重なって幻想的な光景になっていました。

なんか画質悪くね?

 …なーんて余裕ぶっこいてられたのも、日が出ているうち。

どんどん暗くなっていきます。山道は信号がほとんどないのでスピードは出るのですが、一向につく気配がしない。

 街灯が私を煽るような光量で見ています。まんまと釣られた私は、もっともっと漕ぐスピードを上げます。

完全に日が落ち、自転車のライトと街灯以外に視覚的に頼れる物がなくなってしまいまいした。車も、人も、なんか知らんけど道路に鎮座してるシカも、耳を使って判別することになります。よい子のみんなは夜中にチャリ漕がないようにしよう!

するとどうでしょう、「ガチ」の山道が現れたじゃないですか

ナナメの木々が坂です。このとんでもない角度の道路が延々と続きます。

最初は生き生きとしていたものの、延々と続くこの坂に体力を削られていきます。いやだって、上の写真みたいな坂がずーーーーーーっと続いてるんですよ?自転車のライト以外に何も見えません。シカを2回チャリで轢き殺しかけました。

なんか見えたと思ったら和風ホラーみたいな絵が撮れた

食料も、飲み物も残り少ない。ここで死ぬんじゃないか…? 足に力は入らず、こんな真っ暗な山奥なのに眠くなってきました。手もなんかよく分かんないけどシビレてきます。恐らくハンガーノック(糖分不足からなる低血糖状態)でしょう。人間のガス欠です。

このままほったらかすと何が起こるかというと、意識が飛んで死にます誇張抜きで。私は山の中に入り込み、ガードレールの上にドカ座りして、残りの食料と水分を全て体内に流し込みました。このことを友人に伝えたら本気で心配されました。本当に申し訳ない。

でも、山を越えるともう秩父盆地に近い!

山道って、山頂まで登ったら突然カクンと下り坂になるんですけど、調子こいてスピード出し過ぎちゃうんで事故の原因になるんですよね。 私はシカを一匹轢き殺しかけました。

あとはずっと坂を下るだけ!

秩父神社です。死なないように、とお参りしようと思ったら閉まってました。

21:00 秩父到着!

秩父はB級グルメの聖地。わらじカツ丼とかのおいしい食べ物が多くあるんです。山道の中でのモチベは「秩父でわらじカツ丼を食べる」ことでした。

高3の夏休み、受験勉強のストレスから逃げるように秩父へ弾丸自転車旅行したときのわらじカツ丼。超美味いです。

しかし、政府からのまん延防止措置だかなんだかの影響で、飲食店は21時に閉店だったんですね!あほくさ!!!!!わらじカツ丼食べたかったな!!!!!!!!!

 結果、私は秩父に来てまでコンビニでマーボーチャーハンを買い、駐車場の隅にドカ座りして惨めに夕食。

クソほどおもんないガソリンスタンドを眺めながら、乾杯。所持金が2900円になりました。

 

コーラを飲んだら目が覚めたので、そのまま秩父盆地を越えて本庄に直行することに。

しかし、「取材」という本来の目的も忘れ、ここの区間では全く写真を撮っていませんでした。だってずっと下り坂なんだもん。車もいないから自然とスピードが出るし。体は完全に力尽きているのに、アドレナリンが身体を無理やり動かす。だから楽しくなってきちゃうんですね。

この区間での平均時速は30kmでした。これでもだいぶ速度落としたほうです。

唯一撮ったのは本庄市街の手前で撮ったクソデカソーラーパネル。もう23時を過ぎていました。

23:45 本庄駅 到着!

もう意識がありません。記憶もありません。気づいたら快活ク○ブに潜り込み、シャワーを浴びていました。

 そのまま泥の中に沈むように就寝。明日が本番。

ふるさと

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投稿者: ゆき

津軽為信が好きです。官位は従五位下です。
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