前回のインタビューで、エキセントリックな留学を話してくれた西村さん(上智大学外国語学部ポルトガル語学科5年)。今回は、浪人のこと、留学を通して自分の変化したところ、将来の夢と就活、また西村さんが大事にしているモットーを紹介します。
ちなみに、このインタビュー記事は本当は前後編に分けず、1回で完結させる予定でした。しかし西村さんの話があまりに面白く、気づいたらインタビューが2時間を超えていたのです(笑)。
カットするのは惜しい!
というエピソードばかりだったので、思い切って前後編に分けてみました!
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浪人ノスゝメ
―実際にブラジル留学を有言実行されていてすごいですね。

ストライキで車両通行止めになり、一緒に徒歩で峠越えをしたおじいちゃん@ボリビア・ウユニ(撮影:西村さん)
西村:留学は本当に念願のという感じで、留学するために大学入ったようなものでした。
―意志が強いですね!私は「とりあえず大学に入れればいいや」と思って受験して、結果的に全く興味の無い学部に入ってしまいました(笑)。
西村:僕も一回目の受験はそうでした。でも失敗したからこそ、ちゃんと大学というものを見つめ直すことができたんです。
浪人って受験「失敗」みたいなマイナスなイメージじゃないですか。ですけど、浪人はすごくいいですよ。僕ら浪人の場合は一度「無」になるんですよ。どれだけ頭が良くても、何も肩書きがないからFラン大学生にも劣ってしまう。だから大学のありがたみに気づきました。

―浪人時代に自分のやりたいことを明確にできたんですね。休学して考える時間が欲しい…(笑)。
西村:休学オススメですよ。僕は浪人時代と休学留学の分、合わせて2年間遅れているんですよ。
でもその分、2年間考える時間があったんです。
留学中はもちろん勉強しましたけど案外暇な時間があったので、これからどうするか考えることができました。そのことが就活のときに役立ちましたよ。
―やりたいことが決まっていたから勉強も頑張れましたか?
西村:勉強は苦ですよ。でも留学が目標だとして、留学先で何にも喋れなかったら嫌じゃないですか。そのために勉強していました。
自分のここが変わった!
―ちなみに日本人はブラジルでモテますか?
西村:ブラジルがけっこう親日っていうのもあると思うんですけど、日本人は多分他の海外の人よりモテると思います。
日本人って言っただけで、「おーいジャップ、ジャポーン」って言ってくれる人がいますよ。
女の子はめっちゃモテますよ。
―今度行ってみようかな(笑)。

旅人たちとの一枚@ブラジル・レンソイス・マラニャンセス国立公園(撮影:西村さん)
西村:ブラジルって日本と正反対なんですよ。例えば日本人ってシャイじゃないですか。スキンシップとかもあんまりしない、時間を絶対守る、静かめというイメージがありますよね。ブラジルは全部逆です。
―そうなんですね!ブラジルで待ち合わせしたらどうなるんですか?
西村:待ち合わせは、遅れる上に謝らないですね。僕が一番腹立ったのは、友達が1時間遅れて来たときです。さすがにイライラしている感じをだそうと思って、待っていたんですよ。
そしたら夜の10時に遅れて来たんです。どんな顔で来るのかなって思っていたら、向こうはもうニヤニヤしながらこっち来たんです。最初に握手してウェーイっていうノリでした。謝りも、「すいません」の「す」もなく、普通でした。
まじかこいつ、って思いましたよ。

―そういう雰囲気で来られたら、まあいっかって思っちゃいますね(笑)。
西村:そういうところがブラジルらしいですね。
なんか今を楽しんでいるなって感じがします。
―生き生きしていて良いですね!
西村:日本って後先考えるじゃないですか、明日仕事、じゃあ早く寝ないと、みたいな。ブラジルだと明日仕事、まあいいやって感じなんです。バイト中も普通に携帯触ったり、ガムとか噛んでいたりしますよ。ちょっとミスしたら、あーごめんごめんってなるだけです。
―そういうのを知ると寛容になるんですかね。
西村:あー寛容になりますよ、なります。めっちゃ性格良くなりますよ。過去の写真とか見て、このとき俺とがっていたなって思います。
昔は性格悪かったけど、今はけっこうマシになったし、あと明るくなりました。

同じ大学に通う留学生と旅行。ドイツ、フランス、イラン、日本など多国籍!@ブラジル・リオデジャネイロ(撮影:西村さん)
―自分で実感できるってすごいですね!他に自分のここが変わったなあってところありますか?
西村:授業を考えて取るようになりました。みんな般教とか考えて取っていますか?
―ラクタン!
西村:まあ楽単とかじゃないですか。留学行く前からあんまり楽単って好きじゃなかったんですけど、
楽単って自分の興味ある授業が一番楽単なんじゃないかなって思っています。
どんだけ楽単って言われてもおもしろくなかったらキツい。だけど一応自分の興味ある授業だったら別に大丈夫じゃないですか。授業も楽しいし、ちゃんと聞けるし。
―感覚的にはそれが一番ラクですもんね。楽しんでやるのが1番!
西村:あと日本のこともっと知ろうと思いました。
日本のことまじで知らないのに、向こうの人はめっちゃ聞いてくるんですよ。カウチサーフィンってさっき言いましたけど、カウチサーフィンを使うときは泊めさせてもらう代わりに僕が何か提供しないといけなかったんです。でも僕は料理もできないし、なにも持ってないし、そうなると話だけじゃないですか。そしたら向こうが聞いてくるのは武士道って何?とか…
―禅、とかですか?

西村:とかもありますし、あと政治の話されたりとか。
そういうのを、やっぱ答えらえないのは恥ずかしいことだなって思いました。向こうの人は全部答えられるんですよ。合ってる合ってないにしても何かしらの意見を持っていてペラペラ喋りだすんですよ。
―日本は意見を持つことはよくないよ、みたいな風潮がありますよね。
西村:日本はそうですけど、それは違うなって、
僕も自分の意見を持たないといけないなって思いました。
ブラジルで見つけた将来の夢
西村:僕ブラジル行って、ジャーナリストになりたいなって思ったんです。
―きっかけがあったんですか?
西村:オリンピックもそうなんですけど、
ボリビアのポトシ銀山に行ったのが大きいですね。負の遺産なんですけど、昔奴隷が働かされていて、めっちゃ人が死んだらしいです。
―ポトシ銀山。初めて聞きました。

引用:人を食う山「ポトシ」を訪れて~使い捨てられた奴隷の数は800万人
西村:アウシュビッツとかナチスとか、あと原爆ドームも負の遺産なんですけど、
ポトシ銀山のすごいところは実働している負の遺産ってところです。まだ働いている人がいるんですよ。
その現場、鉱山のなかに入れるツアーがあって行ったんです。鉱山に初めて入ったんですけど、すごい劣悪な環境というか、有害物質とかめっちゃついていたんです。
それに普通に呼吸がつらい。
―すごいところですね!そんな場所があるなんて…
西村:そこで人が普通に働いているのに、これはめっちゃやばいなって思いました。なんかすごい興味を持ってしまったんです。だから次の日、一人でもう一度行ったんですよ。
そこで工夫の人にもっとこの状況を発信してくださいみたいなことを言われたんです。それでそういうことをやりたいなーと思いました。
―直接頼まれたら自分がやらなきゃなって感じになりますよね。
西村:自分が知ったからにはこれをもっと発信していきたいなって思いました。それが義務かなあ、みたいな。そういうのを、その人たちと約束したんですよ。

インタビューに応じてくれた鉱夫の方々@ボリビア・ポトシ銀山(撮影:西村さん)
―遠く離れた異国の地でそんな約束を交わすって熱いですね!
西村:でもボリビアはスペイン語を使うんですよ。ポルトガル語とスペイン語ってなんとなく似ているんですけど、ちゃんとは理解できなかったんです。もっと深い話をしたかったのに。
今度はもっとスペイン語話せるようになってから取材来ますって言ったんですよ。
―ブラジル留学という目標から、その次の目標ができた感じなんですね。かっこいい!
西村:なんかすごい人みたくなっていますけど、たまたまに巡りあったんですよ。
そういうところに巡り会えたのは行動したからですかね。
ネットとかでサーフィンしていて見つけられることもあると思うんですけど、実際に行かないと、響かないしやろうと思わない。
―私たちにインタビューをしてくださいと依頼した行動力もそうですが、行動力って大事ですね!

西村:僕有名人になりたいですよ。
しょうもない有名人じゃなくて、テレビに出るような影響力のあるジャーナリストになりたいんです。僕が発信したことを100人が見るより1万人が見たほうが影響力強いじゃないですか。そういうのになりたいんですよ。
就活には仮面が必要?
―大学に入ったときに将来の目標はありましたか?
西村:ずっと模索していましたね。だからインターンに行ったり、スポーツ関係の映像配信のバイトやったり、そういう回り道をしてマスコミをやりたいなと気づきました。なので目標が見つかったのはここ最近ですね。最初は何もなかったです。
―就職先はどんなところなんですか?

西村:テレビ局ですね。カメラマンやります。
ほんとは写真がやりたくて新聞社とか受けたんですけど、テレビを選びました。ドキュメンタリーを作りたいという夢もできました。
―様々な経験をしている人のほうがマスコミに強いイメージありますけど、どうなんですか?
西村:そうですね。広告とかマスコミは何か自分だけのエピソードがある方が有利です。僕資格とか何もないんですよ。エピソードしかないです。
―でも資格より自分だけの経験の方が希少価値が高いですよね!

西村:勉強とかTOEICとかインターンとか真面目にやってこず、自分の道を行っていたんですけど、企業の反応は結構良くて、君面白いねと3回言われました。
自分のやってきたことが認められて良かったです。でも新聞社はあまり反応良くなかったですね。僕って、こいつに任せて大丈夫か?みたいな怖さがあるじゃないですか。
―確かにそうですね(笑)。新聞社は正統派のほうが求められそうな気がします。
西村:反省点ですね。だから最後の新聞社の面接では真面目アピールしました。留学中も教授に質問したり、友達にノートを見せてもらったりして勉強していました、と。
ほぼ嘘なんですけどね(笑)。そしたら結構行けました。
―企業によって自分の魅せ方って変えるべきなんですね!

西村:そうですね。
仮面被っている人が最終的に就活に成功します。
改めて「何もしないなら何かしよう」を推す
―留学・就活を経験した上で伝えたいことはありますか?
西村:最終的なメッセージは、
「何もしないなら何かしよう」
ということですね。
やらないで後悔するより、やって後悔、を推したいです。
―いろいろ行動してチャレンジした結果、この職業に就きたいと思ったんですね。

西村:完全にそうですね。自分の好きな言葉は
「自分の目で確かめる」とか「現地現物」
とかですね。
何度も言うようですが僕には資格とか功績とか何もないんですよ。でも自分の考えを行動に起こしてきて就職できたので、何もしないんだったら、何かしたほうがいいなと思いました。やったもんがちですよ。
―そうですね。もっと色々なことに挑戦しようと思いました。ありがとうございました!

西村さんの留学体験記はいかがでしたか。行動し、自分の目で確かめることは当たり前のようで意外と難しいこと。ですが、西村さんのように実際に行動し夢につなげている方のお話を聞くと、自分もやってみよう!という気持ちになりますね。皆さんも恐れずに一歩踏み出してみませんか?
最後にインタビューにご協力してくださった西村さん、ありがとうございました!

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